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2009年03月04日

「犬のように扱われた」彼女の訴えを聴こう

 転送・転載歓迎!!

「犬のように扱われた」彼女の訴えを聴こう本日の沖縄タイムスは、昨年2月沖縄市で米兵に強姦されたフィリピン人女性へのインタビュー記事を掲載している。この事件は、先月24日に米軍嘉手納基地で開かれた高等軍法会議において、強姦罪への起訴が取り下げられた。それまで彼女は法廷で証言をしようと練習を重ねていたという。裁判で訴える機会を奪われた被害女性は、帰国直前のインタビューの中で、表現し尽くせない怒りと疲れと、そして今後も続く恐怖について最後の力をふり絞るように語っている。その中から一部転載する。

1年間で最もつらかったのは「捜査で何度も話さないといけないことだった。日本と米軍の捜査機関と弁護士に、繰り返し話した。米兵とどう会って、何を話し、ホテルで具体的に何をされたか、とても詳しく聞かれた。相手の性器の大きさ、どこをどう触られたかとか。毎回薬を飲んでから行ったけど、泣きながら質問に答えた」。

実際に事件現場となったホテルの部屋で、当時の動作を再現しなければならないこともあった。何度もよみがえる恐怖に苦しめられ、「死んでもいい、と思うときもあった」。

一方、最終弁論で弁護側はこういったという。「彼はとてもいい兵士だったが、アジアの性産業にはまってしまった」。

「もし私が貧しくなくてお金が十分にあれば、仕事のために沖縄に来る必要はなかった。そしたら事件にも遭わなかったはず。貧しいということ、女性ということ、すべてを見下されている気分です」。 

 帰国後は、どう過ごしていいか分からない。周囲の目が怖くて、実家には戻れない。事件はフィリピンでも大きく報道されてきたため「実名は出ていないけど、皆が自分のことを知っている気がする。他人と目が合うと怖い」。いつも誰かに後ろ指をさされ、うわさ話をされていると感じてしまうという。

動揺する気持ちが冷静に整理されているが、実際のインタビューは、ため息があり、言い淀みがあり、沈黙があったことを想像させる。しかし、それらを含め、最終的にこのような記事が成立するのは、彼女と取材する比屋根麻里乃記者との間に容易でない信頼関係があることが前提である。記事の最後はこう締め括られている。
 
「法廷で証言できなかった私の気持ちを伝えてほしい。話すのはつらいけど、被告側の話だけを聞いた不公平さを訴えるためには、取材を受けることが最後に唯一できることなのです」

「最後に唯一できること」が「取材」なのだという言葉は、メディアに携わる者にとってとても重い。それがこの記事のすべてだといってもよい。使命感をもったであろう比屋根記者はその訴えをしっかりと受けとめ、我々に伝えてくれた。その記事は、夕刊廃止に伴い今月からリニューアルされた沖縄タイムスの「くらし」面に掲載されている。内容からして通常であれば24,25頁の「社会面」に載るべきだろうが、「小沢氏秘書逮捕」にはじかれたのかもしれない。だがそれよりも、デザインも書体も他の記事内容もソフトな「くらし」面に守られているようでこちらの方が良かったのだ、などと思うのはナイーブな私だけだろうか。

サイトに載らない小さな記事、しかし読まれることを求めている記事は実はたくさんある。この記事もそうである。沖縄タイムス、琉球新報の紙新聞を読む機会に恵まれない本土の読者へ、主にあなたたちへ伝えるためにわたしはこの記事を紹介している。どうぞ彼女の訴えを受けとめて下さい。そしてこのことを周りの人に伝えて下さい。

彼女はこの1年間、沖縄島で生活した。その1年間わたしも同じ島で生活し、同じ空気を吸っていた。この1年間の彼女の想いのほんの一部分でもわたしは受けとめ、そして次の1年もその想いを更新しよう。



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多くの方が所有していると思われるもののいくつかを、経済的な理由から私は諦めています。それは、車、携帯、新聞の購読... siteをチェックしていれば新聞はなくてもいいかというと、...
アジアの性産業!?【クイナハウス】at 2009年03月07日 10:22
この記事へのコメント
転載、してもいいですか。
Posted by shinakosan at 2009年03月04日 16:37
shinakosan

どうぞどうぞ、ぜひ!
どうもありがとう!
Posted by 24wacky at 2009年03月04日 17:15
はじめまして。
「明日も晴れー大木晴子のページ」を書いています。
フォーラム(ひろば)にページをリンクさせて頂きました。
http://www.seiko-jiro.net/modules/newbb/viewtopic.php?viewmode=flat&topic_id=1034&forum=1
Posted by 大木晴子 at 2009年03月05日 07:51
大木さん

記事のリンクありがとうございます!
ブーゲンビリアさんの紹介でやりとりをした記憶がありましたが、あれは高江ブログの方で、このブログでははじめてでしたね。
Posted by 24wacky24wacky at 2009年03月05日 09:19
米軍に対して正義や人権を主張できない日本を、またまた知らされました。悲しいと言うより憤ります。また、被害者に何と酷いことを何回も聞きただす等、法律的にはそうなのかも知れないが、人間の所業とは到底思えません。知り合いの人々に、この現状を伝えねばなりません。知らせて下さり、有難う御座いました。
Posted by 林 俊成 at 2009年03月05日 21:51
林 俊成さん

記事を読んでくださりこちらこそありがとうございます。彼女の訴えを聴く機会を与えない、メディアがそれを聴き取らない、伝えない、結果誰も知らない、知ろうともしないということもセカンド・レイプなのだと思います。ぜひ、お知り合いにお伝え下さい。
Posted by 24wacky at 2009年03月06日 00:22
ブログで転載させていただきました。
ありがとうございました。
http://blog.goo.ne.jp/naha_2006/e/805b8e88a107b46cb9a7e77ef1965cbd

相模原でもキャンプ座間でレイプ事件は起きていますが、泣き寝入りしています。
いろいろな事件がある中で、いちばんむずかしい事件だと思います。これ以上書けませんが、勇気ある女性に感謝したいです。

沖縄に行く予定がなかなか実現できずにいます。
そのうちお会いできますように・・・(飲みたいネ)
Posted by ブーゲンビリア at 2009年03月06日 00:24
ブーゲンビリアさん

転載ありがとうございます。
寒い中、リハビリもつらいことと察します。暖かい沖縄へいらっしゃれれば良いのに・・・ですね。
Posted by 24wacky at 2009年03月06日 00:37
いつも拝見しています。
バタバタしていて新聞に気づかず、24wackyさんがご指摘くださらなければ、この大切な記事を見逃すところでした。ありがとうございます。
とても簡易で恐縮ですが、ブログにてご紹介させていただきました。ご連絡と御礼 遅くなり申し訳ありません。
Posted by n_nn_n at 2009年03月06日 01:09
n_nさん

ブログでの紹介、光栄です。こちらこそありがとうございます。たとえ小さくても広く伝えられるべき出来事を優先的に伝える、というのが私の基本姿勢ですが、辺野古についてはその役割を担っている人がいるので安心している、ということでもあります。お礼をいうのはこちらの方です。
Posted by 24wacky at 2009年03月06日 14:19
24wackyさん、こんにちは。

 事後になりすみません、記事を引用させていただき、TBを送らせていただきましたこと、ご報告させてください(__)
Posted by Jitoh at 2009年03月07日 17:04
Jitohさん、こんにちは。

記事の紹介ありがとうございます。紙媒体のみの記事をもっと紹介したいのですが、余力があればの話です(笑)。
Posted by 24wacky at 2009年03月07日 18:00
 
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