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2010年05月08日

沖縄、次なる戦い

米政府は普天間を米本国へ戻すべき ロサンジェルス・タイムスで紹介したチャルマーズ・ジョンソン氏の寄稿を、県内移設反対米紙全面広告についてのニュース動画で翻訳をされたbloody_skinnyさんが全訳してくれました。以下に紹介します。

「1972年から日本政府は米軍と共謀し」という表現にワクワクします。そもそもこの自明の事実からものを見ることを、日本のメジャーメディアは意図的に忘れているといえないでしょうか。

沖縄、次なる戦い

抗議の甲斐もなく、米国は日本列島に新たな基地を増設することを主張しています。沖縄にある基地は論争へと発展し、米国は日米同盟の危機の瀬戸際にあります。沖縄県は日本における全ての米軍施設の3/4を占めています。その環境的にも配慮が必要な地にワシントンは更にもう一つの基地を増設しようとしています。沖縄県民は猛烈に反対し、基地に反対する約10万人が先月集いました。日本の首相は米国の要求に警戒している様にも映り、東京は板挟み状態です。

第二次世界大戦以降、米国は海外に130の国に700以上の世界制覇する軍事施設を獲得しました。その中でも我が国の沖縄植民地支配ほど悲しい歴史はありません。

1945年に日本は当然の如く敵に破れ、何処にどのように基地を割り当てるかに関して口を挟める状況になかった。そして本土では、私達は彼らの持つ基地を乗っ取りました。しかし、1879年に統合されるまで琉球の島は独立王国であり、アメリカがプエルト・リコに対した植民地支配のように、日本は沖縄のことを見なし続けてきたともいえます。沖縄は第二次世界大戦の最後の激しい戦いの地となり、米軍により破壊させられました。そして米国は簡単に欲しい土地を整地し、市民から土地の所有権を奪ったり、ボリビアへ強制的に移住させました。

1950から1953年まで沖縄のアメリカ基地は朝鮮戦争に使用され、1960年から1973年まではベトナム戦争に使用されました。飛行場や供給倉庫としてだけではなく、基地は軍人の休憩所や気晴らしの場としてのバーや、売春、人種差別というサブカルチャーをも生み出したのです。米軍基地の多くで黒人と白人の米兵による血を見るような激しい喧嘩が頻繁に起こり、そのエリアは2つのグループに対角的に分けられていきました。

米国の日本占拠は1952年にサンフランシスコ平和条約と共に終わりを告げました。しかし、沖縄は1972年まで米軍の植民地として残りました。20年間、沖縄県民は本質的に無国籍で日本人と米国人のどちらの市民権やパスポートも得る事は出来ませんでした。日本の沖縄統治から返還された後も米軍は駐留し、沖縄の領空と非常におびただしい数の基地を保有し続けました。

1972年から日本政府は米軍と共謀し、沖縄が将来について口を開く事を否認しました。しかし、それが少しずつ変わってきたのです。例えば、1995年に12歳の少女を誘拐、暴行した2名の海兵隊と海軍軍人の留置に対する非常に大きなデモが起こりました。1996年にアメリカは宜野湾市に位置する普天間を返還の代償として、島の別の場所へ基地を増設することを条件に承諾しました。

そして名護市という新たな選択肢が1996年に生まれました(米国間の合意は2006年までに承諾されず)。名護市は沖縄本島に位置する北部にある小さな漁村で、フロリダのマナティーに似た絶滅寸前の海洋哺乳類のジュゴンと珊瑚礁が生息する地域です。そこに巨大なアメリカ海兵隊の基地を建てるには、埋め立て又は杭い打ちの滑走路が建設され、珊瑚は全滅されるでしょう。環境問題専門家は1996年からずっと抗議し続けました。そして2010年の始めには、名護市に米軍基地を建設させないことを公約としてきた現在の名護市長が市長に選ばれました。

2009年に権利を受け継ぐこととなった日本の総理大臣、鳩山由紀夫氏が選挙で勝利した一部に、アメリカに海兵隊普天間基地と海兵隊を島から完全撤退させる要求をするという「公約」がありました。しかし、火曜の沖縄訪問で鳩山氏は深く頭を下げ、主として住居者に耐えて下さいとお願いしました。

鳩山氏のとった行動は腰抜けで見下げ果てたものであると思いますが、そのこと以上に米国政府の傲慢さが日本国民をここまで深く屈辱的な袋小路へと追い詰めてしまったことを大変遺憾に思っています。米国は財政困難の中で、既に必要とされていない「受け入れ国」と呼ばれる国々の中に米軍基地の帝国を増やし、維持する妄想に取り憑かれています。私が提案したいのは、米国が傲慢な態度を改め、普天間基地に駐留する米海兵隊をアメリカ国内の基地(例を挙げるなら私の家の近所のキャンプペンドルトンなど)へ戻し、65年間も米軍基地駐留に耐えて下さった沖縄県民の方々に対して感謝の意を表明することです。

チャルマーズ・ジョンソン氏は「アメリカ帝国への報復」を含む数々の著書、そして近日発売の「崩壊してゆく帝国:アメリカの最後の大きな望み」の著者です。

著作権:ロサンゼルスタイムズ2010年


☆5月8日16:50 一部修正しました




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