アジアの本屋さんの話をしよう ココシバ著者トーク
京浜東北線蕨駅から徒歩6分の
Antenna Books & Cafe ココシバで開催された「 アジアの本屋さんの話をしよう ココシバ著者トーク」に参加した。出版ジャーナリストの石橋毅史さんが新著『本屋がアジアをつなぐ』にまつわる話を写真も交えながら展開。ソウル、香港、台北のユニークな書店の生まれた背景など、興味深い内容が語られた。
東京新聞での連載をまとめた同書の中から、石橋さんが特に話をしたいということで、中国本土の禁書を扱い、中国当局に長期間拘束された香港の「銅鑼湾書店」の店長をしていた林栄基さんへのインタビューについて時間が割かれた。同書店が成立したことについて、中国は自由であるべきだという政治的信念だけでなく、それらの本が売れるから売るという商売としてあったという。林さんは台湾でも同じような書店を開くつもりだという最新情報も披露された。
石橋さんは同書を書いた動機について、本屋が必要だということ、そしてそれが社会的必要性があってこそであることを強調した。日本と違う点は、市民の政治的成熟度の熱量にあることも加えられた。
なお、本書の版元である
「ころから」は赤羽にある小さな出版社で、出版不況に対し、書店への直接卸しができるトランスビュー社の制度を採用するなど挑戦的な試みをしている。この日は代表の方も参加され、トークをフォローされていた。
一度訪れてみたかったココシバは、ゆるい雰囲気を出していて、しかしながら選書にしてもカフェメニューにしてもセンスの良さを感じさせる。とても気に入ってしまった。
イベント目的ではなく常連客としてカウンターに座っていたクルド人のご家族による手作りのお菓子がお裾分けされた。男性は滞在許可が下りず1年5ヶ月の長きにわたり入管に拘留され、不当な扱いを受けてきたという。その間支援をしてきたココシバには、クルド人コミュニティとの信頼関係がうかがえ、地域独自の課題とともにある場として機能していることがなによりすばらしい。
2019/08/08
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2014/12/01
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