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2016年10月23日

第6章 未来からパクる 『可能なる革命』概要 その7

テルマエ・ロマエ

 マンガ『テルマエ・ロマエ』は、古代ローマの建築家ルシウスが現代日本にワープし、浴場についてのアイデアを得るという内容である。ここには〈未来の他者〉といかにして連帯するかという主題に関わる手がかりがある。

 『テルマエ』では、古代ローマの浴場が現代日本の浴場からのパクリであった。このように、いかに現実にはありえないことだとわかっていても、未来の視点から捉えると、自分たちは過去の人びとにパクられている、という印象をもってしまうということがある。そしてそれは必ずしも嫌な感覚を伴わない。

 古代ローマ人は、いわば無意識のうちに〈未来の他者〉に応答していたのである。同じように、現在のわれわれは〈未来の他者〉に応答していたと、後になって認定される契機があるのではないか。

『可能なる革命』
著者:大澤真幸
発行所:太田出版
発行:2016年10月9日



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