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2006年12月03日

『現代生協改革の展望』⑨

宮崎県民生協のケーススタディ



1 双方向コミュニケーションによる事業活動


組合員の声に徹底的に応えることが事業組織の根幹。


・「よくするカード & よかったよカード」 消極的な意見表明 ( 苦情 ) から積極的意見表明 ( 提案 ) へ


・「担当者日報」
一般の業務日報は職員の仕事の結果報告が中心であるが、宮崎県民生協の場合は
、職員のキャッチした組合員の声が報告の中心となっている。
しかも、会話形式で記入するよう推奨されている。

職員の仕事が、商品を宣伝・普及し売ることから、
組合員の声を聴くことに変わった。


・『宮崎版カタログ』
組合員が商品要望を出すと、それは可能なかぎりすべて商品企画として実現する。
カタログの一つ一つの商品の囲みには、組合員の要望や思いが書かれており、
それを読んだ他の組合員も共感や興味をもって購入するという。
個別ニーズだからといって一つしか売れないのではない。
個別ニーズだから共感を呼ぶのである。
そこからヒット商品が生まれるという。



2 生協らしさの転換


生協運動論の転換


目標・理念重視の動員型運動→プロセス重視の参加型運動


参加型運動とは、先進層 ( 指導層 ) でなく
一人ひとりの参加者が運動の主体となる運動をいう。
ここでの参加は、班会に出席したり、委員や代表になることではなく、
声を発しコミュニケーションに加わることである。


組合員組織の転換


トップダウン→ボトムアップ

理事会→運営委員会→組合員へと上から目標や課題を下ろし実行を迫ることをやめ、
組合員→運営委員会→理事会へと要望や意見を上げることを中心とした組織とした。
すなわち、「行政府」的組織から「立法府」的組織への転換である。


商品政策の転換


「安全・安心の生協商品」は今日でも生協加入の重要な動機となっているが、
その面で生協商品が十分に差別化されているわけではない。

「良い商品のはずだから売れるはず」「良い商品だから買うべきだ」というように、
理念を背景に生協商品を普及すべきであるという強烈な建て前論議が横行することになる。

これへの反省から、生協商品を可変的にとらえ
「つくりかえつづける」というプロセス重視型に転換した。



3 マネジメントと労働の変革


多数から個への転換

ボトム・アップ型へのマネジメントの転換

労働の質の転換
個人の労働 ( 私的労働 ) が組合員のくらしに役立つ労働 ( 社会的労働 )
となるようにコミュニケーションによって方向づけられる。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

職務日報って前の職場で書かされたけど、けっこう時間がとられて、
しかもノルマ化=目的化してしまいがちだった。
やり方(書き方)がマズかったのだろう。

組合員の声を会話形式で記録するというのは、書く方も読む方もおもしろそう。


「共感」という能力は女性の方が秀でている。
消費者運動が女性中心なので自然とそうなるのだろう。
男も「共感力」をもっと学ぶべきか。

『宮崎版カタログ』を取り寄せてみようかな。


目標・理念重視の動員型運動→プロセス重視の参加型運動。
このへんが気になるところ。
プロセス重視の参加型にすべきだと思うが、目標=数値化し難い面が出てくるのでは。
つまりプロセス重視の参加型の達成をどう数値化するか。

目標・理念「重視」ではないが目標・理念がないわけではないだろう。
プロセス重視の参加型運動からボトムアップ式に目標・理念が生まれる、
常に改変される、ということかな。


生協商品を可変的にとらえ「つくりかえつづける」というプロセス重視型に転換した。

資本制企業は絶えず商品の差異を作り出し、差別化を図る。
欲望を作り続けるともいえる。
このプロセス重視型も資本制企業の商品との競争に絶えず晒され続けるだろう。
その過程で欲望を作り続ける商品と化けなければよいが。

資本制企業はないところへ欲望をかきたて差異を生み出す。
消費者はそれを買わされる。
一方プロセス重視型は現場の生の声を聴きとることから「つくりかえつづける」。

といっても資本制企業にしても生の声をひろうことはマーケティングとしてやっている。
そこにないのはやはり「共感」か。


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