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2008年06月05日

『世界共和国へ』を読むためのメモ その29

2 プルードンの構想

プルードンは社会主義を平等や友愛からではなく、「自由」に基づいて築こうとした。第一に、経済的平等より自由を優先した。そしてなにより分配的正義に反対した。それは国家による再分配に行き着き、国家権力強化に繋がるから。自由を優先したプルードンは、「交換的正義」、つまり富の格差を生み出さないような交換システムを唱えた。
 
第二に、「自由」を「友愛」より優先させた。「友愛」を基盤に社会を変えようとする者は、ほぼまちがいなく国家に向かう。友愛は個人の犠牲を引き出す。国家的な強制は、しばしば友愛によって弁護あるいは強化される。

プルードンは私有に反対し、同時に社会主義者が唱える共有(国有)にも反対した。そのどちらでもない形態が互酬制である。それは共同体の互酬とは違い、市場的交換に似ていて、競争があり自由がある。それにもかかわらず、貧富の差や資本―賃労働の対立があってはならない。それは具体的にどのようなシステムか?

第一に、生産協同組合。全員が労働者であり経営者であることによって、賃労働(労働力商品)がない。第二に、代替貨幣・信用銀行の創出。プルードンによれば、真の民主主義は、政治的レベルのみならず、経済的レベルでも実現されなければならない。

つまり、国家と資本主義市場経済から自立したネットワーク空間を形成すること。



「自由」に基づき私有にも国有にも反対するという態度が驚異的である。川満信一の「琉球共和社会憲法」は私有廃止=共有である。このあたりも後で書きたい。


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