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2009年02月23日

羊は貨幣として使えるが・・・

「『世界共和国へ』に関するノート」のためのメモ その26

遊牧民は羊を貨幣として使用していた。羊とともに移動し、それを食べ、貨幣として他のものを買った。便利なものだ。彼らには、ある国の中で通用している通貨はもちろん、持ち運ぶことの出来ない貴金属も通用しない。このことは何を意味するのか?

それは、貨幣はまず商品であるということである。この商品の素材はなんでも良い。大事なのは、国際的に通用する貨幣は、商品(使用価値)である必要があるということだ。国家や共同体の中であれば、紙でも貝でも何でも良い。しかし、その外でそれは通用しない。

貨幣としての羊の価値は、他の商品と並んだ時に、羊自体が他の商品との関係の中で変動するので、他の商品の価値尺度になる。「その結果、その商品は異なる価値体系を貫徹する世界貨幣として機能するのである」。

いったん貨幣が成立すると、ある転倒が生じる。商品交換の手段ではなく、貨幣を蓄積しようとする欲動が。それが資本の欲動である。守銭奴は、貨幣を蓄積するのに夢中で、実際に貨幣を使わない。

これに対し、資本家は合理的な守銭奴である。資本家は、資本を増殖するために、商品を買って、それを売る。だがこれにはリスクを伴う。貨幣は商品と交換できるが、商品は貨幣と交換できない。商品は貨幣と交換されなければ、ただ廃棄されるのみだ。資本家は、貨幣→商品→貨幣(M-C-M’)という過程を通じて貨幣を増殖させようとするが、商品→貨幣(C-M’)という「命がけの飛躍」(マルクス)を経なければならない。

このリスクを避けるために「信用」がある。約束手形を発行し、あとで決済するのだ。信用制度は資本の運動を加速し、永続化する。実際に商品が売れるまで待つ必要が無いので、資本家は新たな投資を行うことができてしまう。


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