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2009年12月14日

プルードンと社会主義

「『世界共和国へ』に関するノート」のためのメモ その37

季刊『atプラス』連載「『世界共和国へ』に関するノート(13)」(柄谷行人著)02号は「社会主義と共同組合」と題される。

プルードンは国家主義的な社会主義に異議を唱えた。フランス革命の「自由・平等・友愛」というスローガンがあるが、その中で彼は自由を優位においた。それがどういう意味かは、交換様式からみればよい。



プルードンによれば、平等は国家の再分配によって実現されることになり、結局国家の強化につながる。それは交換様式C(商品交換)がもたらした「自由」を犠牲にして、交換様式B(略取・再分配)を回復させてしまう。

友愛はどうだろうか。友愛は狭い共同体を形成しがちだ。交換様式Aを想像的に回復させ、ネーション形成に向う。実際、フランス革命は、民族を超えた「市民」がフランス「国民」となること、つまり、友愛がナショナリズムに転化することによって結実した。プルードンの考えでは、自由が優位にあるときのみ、共同体を越えた友愛が成り立つ。別の言葉でいえば、共同体と一度絶縁した個人によって、真の友愛、または自由なアソシエーションが可能となる。

つまり、プルードンの社会主義、アナーキズムは、交換様式Dに他ならない。彼は「分配的正義」よりも「交換的正義」を唱えた。それによって、不平等を生まない交換システムを作り出すことを。〈それは交換様式Aの回復ではあるが、友愛のように、人びとを共同体に取り込むものではない。交換様式Cは資本主義において、階級格差を生み出さずにはいない。しかし、それを否定するとき、様式Cがもたらす自由を放棄することなしにそうすべきである。プルードンがいう「自由」とは、自由の互酬制である。そして、彼はそれを互酬制の経済に求めた〉。







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