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2009年12月16日

協同組合から株式会社へ

「『世界共和国へ』に関するノート」のためのメモ その40

マルクスは協同組合に資本制揚棄の鍵を見出し賞賛した。だがしかし、協同組合工場は、非力で小規模なのが常であり、資本制企業との競争ではどうしても負けてしまう。実際、1860年以後、それらは衰退していった。もっとも、協同組合は資本が及ばないような領域では成立するし有効でもある。ただ、それによって資本制企業に対抗することはありえないというだけだ。それは、プルードンの信用銀行や代替通貨に対しても同じことがいえる。

そこでマルクスは協同組合への批判から、株式会社に着目する。そもそも株式会社とは、「資本と経営の分離」を指す。株主は出資に応じた配当を得る権利があり、また、経営への議決権をもつ。他方で、所有権は法人がもつ。もし会社が倒産しても、株主は有限の責任を負うだけですむし、いつでも株を売って貨幣に転化できる。これによって、大規模な資本蓄積が可能になる。これは協同組合には無理な話だ。ではどうしたらよいか。株式会社を協同組合化、つまり連合的(associated)な生産様式にしてしまえばよい、とマルクスは考えたのだ。

だが、そうはいっても、株式会社が資本の揚棄にならないことはマルクスにも分かっていた。資本は利潤を追求することが至上命令であるということは動かせないからだ。それでは資本制は揚棄できない。

そこでマルクスはこう考えた。経営者と株主は違う。経営者と労働者が株主の支配から逃れて自立すれば。株主の多数決支配を、協同組合の原則によって、株主を含む全従業員の一人一票の議決権というシステムに代えれば良いのだ・・・



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