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2010年03月02日

国連を軸とした漸進的な運動

「『世界共和国へ』に関するノート」のためのメモ その45

世界同時革命は現存する国連を基軸にすることで可能となる。むろん、国連は不十分な組織であるゆえ、現状の国連に対する反対運動もその中に含まれるという意味で。



国連というシステムはほぼ次の3つの領域からなる。第一に軍事、第二に経済、第三に、医療・文化・環境など。このうち第三の領域は、WHOのように歴史的に国連より先にあったものが、後に国連とつながったものが少なくない。誰かが設計したのでなく、国際的アソシエーションとして生成してきたものが国連に参入したのだ。また、第三の領域にはNGOが多く、ネーションを越えたものとなっている。つまり、それらは既に国連(United Nations)の概念を越えている。これと同じことが第一、第二でも起これば、ほぼ国際連邦が実現するといってよい。

世界各地の対抗運動は自然発生的にグローバルなつながりをもつようになっている。しかし、それらは諸国家によって分断される恐れが常にある。各地で盛り上がり、点が線になるというようなことはありえない。ではどうしたらよいか。

われわれがなすべきことは、世界各地の様々な運動を、国連を軸にして結合することである。国連はたんなる人間の思いつきではない。人間的自然(人間性)がもたらした遺産である。これを活用しないでは、人類の未来はありえない。もちろん、国連を政治的・経済的領域において変革する必要がある。その場合、国連を変えることができるのは、有力な国家の力や外交ではない。諸国家の内部における、資本と国家への対抗運動である。だが逆にいうと、各国における「下からの」運動は、このような国際的インスティチュートにかかわることでのみ、分断や孤立を免れる。

世界同時革命というと、世界中でいっせいに蜂起するというようなイメージがある。しかし、国連を軸とするかぎり、このようにたえまない漸進的な運動となる以外ない。

連載終わり






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