2018年01月28日
『美しき諍い女』ジャック・リヴェット

およそ30年前の公開時に観た興奮を喚起しながらも、「なるほど、そうだったのか」という新しい見方があり得た。老画家フレンホーフェル(ミシェル・ピコリ)が描く、白地のキャンバス上で絵が生まれていく過程を淡々と捉えていくショットの連続。その創造性が印象に残るのは今回も同様だが、そしてモデルとなるマリアンヌ(エマニュエル・ベアール)の裸体の曲線と骨の硬線の合間見えが脳裏から離れないのもまた当然なのだが、映画は「女=マリアンヌとは残酷な生き物である」ということの確認のための一つのシークエンスであることがわかる。女=マリアンヌは成長しない。そのことをエマニュエル・ベアールの大きな自信満々の瞳は、完成作を見た後恋人と別れるラストにおいて、私以外のどこかに向けられていることで顕す。おそろしい。
『美しき諍い女』
監督:ジャック・リヴェット
出演:エマニュエル・ベアール/ミシェル・ピコリ/ジェーン・バーキン
原作:バルザック『知られざる傑作』
1991年作品
Gyao配信期間:2018年1月9日~2018年2月8日
Posted by 24wacky at 10:18│Comments(0)
│いつか観た映画みたいに