2006年10月04日

『ガーダ』

『ガーダ』


1988年7月、ひとりの女性ジャーナリストが戦火のパレスチナで取材をはじめた。古居みずえ・当時40歳。
37歳の時、原因不明の関節リウマチに襲われ、1ヶ月後には歩行器なしで動けなくなった。真剣に人生に向き合っていなかった自分に悔やんだ。「もうだめだ…」諦めかけた時、投薬した薬が奇跡的に効いた。「一度きりの人生。何かを表現したい。」その時、古居は普通のOL生活から女性ジャーナリストとして人生を大きくシフトした。
 また、ガーダ自身も古居との出会いによって、その人生を大きくシフトさせている。
 ガーダは、パレスチナの古老たちから、1948年のイスラエルの建国によって、故郷を奪われたパレスチナ人の体験と暮らしについて、聞き書きを続けている。ガーダは「ジャーナリストとしての生き方を古居から学んだ」と語っている。封建的な男性社会であるパレスチナでは、女性たちの声が聞え難い。男性のジャーナリストでは撮影する事が不可能な、貴重な映像である。そんな社会のあり方と闘い、奪われた暮らしを再生させようとしているガーダにとって、多くの困難を乗り越えてきた古居の存在は大きい。
今、日本では、経済や社会の不安が大きく、夢や将来への希望を目指して生きることは難しい。それでも、自らの生き方を真剣に捜し求めている人々は少なくない。会社勤めのかたわら、スキルアップを目指して専門学校に通ったり、通信教育を受講する者や、転職によって可能性を探ったりしている者もいる。
人生の半ばで大きく生き方をシフトした古居、巨大な力によって奪われた故郷を取り戻そうとするガーダの存在は、かれらを勇気づけてくれるであろう。




『ガーダ パレスチナの詩』
を桜坂劇場へ観に行った。

パレスチナの地上2メートルで起こることしか描かれていない。
つまり現実が描かれているということだ。

生と死。
ただそれだけで見せてしまう。




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