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2018年12月01日

『ボヘミアン・ラプソディ』

『ボヘミアン・ラプソディ』

 この映画の要素を3つ挙げてみる。1、ロックバンドのサクセスストーリー、2、セクシャリティを含めたフレディ・マーキュリーのカリスマ的なキャラクター、3、ラストの「ライブ・エイド」までに至るライブ・パフォーマンスの圧倒的臨場感。さらに付け加えるならば、これは1〜3に関連するが、終演後会場を後にする観客の会話に「知ってる曲ばかりだった!」という若い女性の声が聞こえたが、クィーンをリアルタイムで聴いた経験がない世代も含め幅広い層に知られているという(洋楽であるにもかかわらず)彼らの楽曲の魅力もはずせない。というより、これが一番といっていいかもしれない。

 そのクリソツなパフォーマンスに比べ、ラミ・マレックの顔そのものは似ていない。しかしながら、数々のクローズアップが示すフレディの感受性の豊饒さは、それを観る者の想像力をかき立てる。そのまなざしの先に、独特のヒット曲誕生の瞬間があり、それに立ち会えるという贅沢を味わえるのだから。

 そして「ライブ・エイド」。持ち時間20分という制約を受けての4曲の構成。意表をつくいきなりの「ボヘミアン・ラプソディ」始まり。美しいメロディなのにヘタウマなピアノ。過呼吸気味のボーカル。人殺しの告白。ママ、ウーウウウー…。当時テレビの生中継を徹夜して見ていた青臭い自分は、何を受けとめ、何を受けとめ損なったのだろう。

『ボヘミアン・ラプソディ』
監督:ブライアン・シンガー
出演:ラミ・マレック/ルーシー・ポイントン/グウィリム・リー/ベン・ハーディー/ジョセフ・マッゼロ
音楽プロデューサー:ブライアン・メイ/ロジャー・テイラー
劇場:TOHOシネマズ川崎
2018年作品






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