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2006年11月15日

市民のためのバンクを救え

転載します。

市民バンクが危うい!


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      市民のためのバンクを救え

     ~ノーベル平和賞を受賞した
    グラミン銀行の日本版がいま危ない~

    2006年11月3日 全国NPOバンク連絡会

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 200万人ともいわれる多重債務者を救済するために、
 いま国会で「貸金業法」の改正が審議中です。
 新聞等でも大手貸金業者による様々な反社会的な
 行為が報道されており、金利のグレーゾーンを撤廃
 するなど、規制は当然厳しくするべきです。

 しかし、この改正案では、社会的な事業や経済的な
 弱者に融資を行っている「NPOバンク」の多くが
 存続できず、これから新しいNPOバンクもほぼ設立
 できなくなってしまいます。

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃【1】 NPOバンクとは?
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 NPOバンクとは、一般の金融機関が融資しない
 環境・福祉などの社会的な活動を行っている
 市民事業や、顔の見える範囲での助け合いのため、
 市民がお金を出し合い、無担保・低金利で融資を
 している小規模な非営利金融です。
 法律的には、一般の貸金業者と同様の活動と
 見なされているため、貸金業の登録をしています。

 世界的に見ると、今年度ノーベル平和賞を受賞した
 グラミン銀行もNPOバンクの一種です。

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃【2】 なぜNPOバンクが危機なのか?
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 NPOバンクは、融資するテーマや地域を限定し、
 顔の見える関係性の中で、信頼をベースした
 非営利の活動を行っています。
 そこには、専門家を含む多くの運営ボランティア
 や、お金の配当はなくても自分たちのお金が地域や
 社会で生かされることを期待する、多くの出資者が
 います。

 NPOバンクは、小規模で、社会性を持っているから
 こそ、経営が成り立っています。
 つまり、「営利企業が融資しない社会的な課題に
 対して低い金利で融資する」という目的によって、
 多くのボランティアの参加と、融資の原資である
 出資金を得ることができているのです。

 しかし今回の改正は、小規模で営利目的の貸金業は
 高い金利を取らないと成り立たないという理由から
 財産が5千万円以下しかない貸金業は認めず、さらに
 様々な費用も課す方針です。

 「みんなで少しずつお金を出し合って、自分たちの
 周りを豊かにしていこう」というNPOバンクにとって
 5千万円の財産要件と、様々な費用負担は大きな
 ダメージとなります。

 例えば、新潟コミュニティ・バンクでは、すでに
 約600万円の出資金を集め、被災地を復興するNPO
 から融資の希望が来ているにもかかわらず、この
 問題で融資活動を見合わせています。
 http://www.tatunet.ddo.jp/ncb/

 また、日本共助組合では、教会の中で40年以上に
 わたって多重債務者にならないように、融資事業を
 続けてきましたが、この改正で今後活動が出来なく
 なる可能性もあります。
 http://homepage2.nifty.com/jcu/

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃【3】 市民のためのバンクを救え
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 NPOバンクは一般の貸金業者と異なり、団体の維持に
 必要な収入をこえる「もうけ」を出そうとしません。
 私たちは、テレビなどで過大な宣伝をし、簡単に
 融資することで多重債務者を増加させてきた、
 「貸金業者」とNPOバンクは、まったく別のもの
 だと考えています。

 そのため、「非営利で公益性を目的として活動して
 いるNPOバンクは、貸金業規制法から適用除外に
 すべきである」と政府や立法府に訴えてきました。

 また、悪質な業者が入ってくることができないような
 非営利金融の自主規制ルールを現在作成中です。

 世界的にはノーベル平和賞を受賞したグラミン銀行と
 同様の活動が、日本では同時期に誰も意図しない形で
 規制されようとしています。

 今回の改正の趣旨からすれば、多重債務者をこれ以上
 出さないように援助活動をしたり、被災地で活動する
 市民団体を支援するNPOバンクは、むしろ社会的な
 セーフティネットとして、行政が応援すべきもの
 ではないでしょうか。

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃【4】 この問題を多くの人に伝えてください
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 私たちの活動は始まってばかりであり、まだ小さい
 ため、行政側にもその意義を認めていただきつつも
 「このままでは、多重債務者の救済という名目で
 日本のほとんどのNPOバンクが存在できなくなる」
 ことが現状です。

 市民による社会的な非営利の金融を、日本から
 なくさないためには、この問題を多くの皆さまに
 広く知っていただくことが必要です。

 今後もNPOバンクが発展していくことができるよう、
 多くの人にこの問題をお伝えいただけると幸いです。

 ◆11月18日(土)午後に、この問題を考えるための
  フォーラムを東京・六本木の「みなとNPOハウス」
  で開催する予定です。
  *詳細は決まり次第以下のHPでお知らせします。
 http://www.h7.dion.ne.jp/~fund/news.html

 ◆今回の問題に対する全国NPOバンク連絡会の見解は
  以下をご参照ください。
http://www.h7.dion.ne.jp/~fund/kasikingyou-iken.pdf

 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ※本件に関するご質問等は、以下までお願い致します
  全国NPOバンク連絡会(東京CPB内)
  担当:奥田
  E-mail:community-fund@r2.dion.ne.jp
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