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2008年04月16日

日米地位協定と中部の休日

15日付沖縄タイムスによると、13日(日)北谷の美浜で米兵の息子2人が万引きし沖縄署に通報されたが、先に来た米憲兵が「身柄を拘束」、基地内に連れ帰ったという。これが日米地位協定に違反するか否か、専門家の両論併記が付されている。

米憲兵、万引少年連れ帰る/沖縄署の捜査要請応じず
地位協定に抵触も


13日(日)といえば I さんを案内していた日。時系列を確認すると、我々は12時前後に砂辺区、美浜を廻り、13時過ぎ、北谷の「鶴小」でランチをとり、その後佐喜眞美術館へ向けて南下した。I さんと私が北谷を去った直後に事件が起きたことになる。

日米地位協定と中部の休日砂辺区の外国人向け住宅では、トランポリンで遊ぶ子供、ウォーキングをする黒人女性二人組などが目についた。

沖縄料理のファミレスでは、国際結婚の家族と思われる人たちが何組か目についた。白人男性の向かいには初老の男女が落ち着いた笑みをもらしていたのが印象的だった。

トイレでは小さな息子に礼儀を教える父親の姿が。白人の小さな息子と目が合い、その澄んだ瞳に私は思わずスマイルを返した。

縦列二人で漕ぐ自転車(なんていうのだろう?)を沿道で走らせるお父さんと小さな女の子。

「あの優しいお父さんが人殺しに関わっていたりするからなあ…」と思わず漏らすと、I さんははっとしたように「そういうふうに考えると複雑だ」と応じた。

中部の基地の町では日常的な(そして恐らく「平和な」)休日の光景の一端を覗き見した同じその場所で、これまた「日常的な」米軍にまつわる事件が起きた。

平時に隠蔽された国家の暴力はいざという時その姿を露にする。アメリカ人全般が、あるいは米兵全般が悪というような単純な議論をするのでは無論なく、大きな構造を理論的に把握し、かつ基地の町というローカルな現場で自らの関わりを(加害性も含め)認識すること。

日米地位協定と中部の休日「軍隊は住民を守らないということが、こういうことだったのだと分かった」と I さんが語ったのは、金城実さんの圧倒的な作品を前にしてだった。「それはやはり当時の日本の沖縄に対する差別意識があったからなのか?」と I さんは問うた。「それは確かにあった(し現在もある)。だが沖縄であろうとなかろうと、軍隊は住民を守らない。軍隊が守るのは国家であって、いざという時『国民』を平気で殺す」と答えた。

日本の沖縄差別、植民地政策という問題と、近代国家の暴力装置としての軍隊という問題は重層的である。だからその時々に応じてそれぞれを括弧に括り思考する作業が必要だ。I さん案内と今回の事件はそのことを再確認させてくれた。


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