2009年06月07日

『PLASTIC CITY』

桜坂劇場で『PLASTIC CITY』を観る。アンソニー・ウォン主演のクライム・ムービーということで期待したが。相変わらずアンソニー・ウォンの後姿は映画的なのだが・・・

『PLASTIC CITY』「血の繋がりよりも深い絆」の父(アンソニー・ウォン)と息子(オダギリ・ジョー)の関係は、エディプス・コンプッレックスの「父親殺し」が隠れたテーマとなっていて興味深い。一方でクライム・ストーリーとしてのシナリオと演出が粗雑であり、かつ「父親殺し」のテーマとの相関性に乏しく、継起する時間が躍動しない。

サンパウロ市の東洋街のチンピラどもの蜂起ぶりがそれなりにユニークであるにもかかわらず、敵との闘争シーンにおいて安易なCG操作による「夢」として処理され白けさせる。撮影監督としてのキャリアを持つユー・リクウァイ監督の驕りにつきあわされている気がして仕方がない。



同じカテゴリー(いつか観た映画みたいに)の記事
『まく子』鶴岡慧子
『まく子』鶴岡慧子(2019-12-08 09:39)

『半世界』阪本順治
『半世界』阪本順治(2019-12-08 09:34)


 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。