てぃーだブログ › 「癒しの島」から「冷やしの島」へ › いつか観た映画みたいに › 『エリ・エリ・レマ・サバクタニ』

2006年07月03日

『エリ・エリ・レマ・サバクタニ』

『エリ・エリ・レマ・サバクタニ』


西暦2015年。
日本をはじめ世界中に正体不明の致死ウィルスが蔓延していた。
メディアはそれを“レミング病”と呼んだ。
感染者は<自殺>という方法で死に至り、日本では300万人、米国では800万人が自殺していた。人々が希望を見失いかけ、絶望感に満ちた世界で、唯一の抑制方法が探しあてられる。
それは、日本のあるミュージシャンが奏でる“音”を聴くこと。
果たして彼らの“音”はこの絶望感に満ちた世界を救えるのか。


本年度カンヌ国際映画祭「ある視点」部門に出品され、多くの批評家から賞賛を浴び、改めて映画作家としてその名を知らしめた青山真治監督の最新作が遂に公開!
“音”と“物語”の融合を全く新しいスタイルで提示した本作は、希望の象徴である“音”と全編にわたる美しい映像により観る者を圧倒し、生きる力、未来への希望を見出そうとする人々の姿を力強く描きだす。





『エリ・エリ・レマ・サバクタニ』を桜坂劇場へ観に行く。

音をめぐる物語。
全編にわたるあらゆる音のなかで最も力強いのは、
浅野忠信&中原昌也の演奏でもなければ、
荒涼とした大地を吹き荒ぶ風の音でもなく、
「女優」岡田茉莉子の発声こそ圧倒的。
それはその他の演者が、ぼそぼそ声の浅野だったり、
素人役者だったりすることだけによるのではないだろう。


月曜朝一ということもあってか、観客は自分を含め4人。
沖縄で青山真治作品を上映するという「事件」にふさわしかったかもしれない。







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この記事へのコメント
結局のところ、お薦めの作品でしょうか?。今日月曜は会員800円の日なので迷いましたが、膝がちょっと痛んでいることもあって見送ったのですが。行っていたら5人目の観客だったんですね。正体不明のウイルスという設定にカラックスの『汚れた血』のパクリのような感を持ってしまっています。
Posted by チャーリー at 2006年07月03日 23:35
青山さんは映像に較べて文章はイマイチと言われていますが、毎年熊野大学には手弁当で参加され、今回ついにわれわれ聴講生が発行する機関紙にも寄稿してくれました。

http://plaza.rakuten.co.jp/kumanodaigaku/diary/200606080000/

だから、というわけではないですが、とても信頼できる人柄です(笑)

この第4号はたくさん刷るので沖縄にも送ります。希望部数と住所教えてください。
Posted by ゴロー at 2006年07月04日 00:32
>チャーリーさん

青山真治という作家の好き嫌いによるでしょうね。
私は大好きです。

「正体不明のウイルス」云々という説話論的に拘ると、ちょっとイマイチと捉えれるかもしれませんね。
なぜ彼らの奏でる音楽を聴くと自殺が抑制されるのか、という因果論が「説明」されていないので、その手の「娯楽映画」的な見方に捉われて観る人には楽しめないかも。

フランス映画の系にからめていえば、岡田茉莉子は老いてなお存在感を見せつけるジャンヌ・モロー、カラックス『ポーラX』のカトリーヌ・ドヌーブに近似するかのような驚きに満ちていました。


>ゴローさん

今年も熊野大学の季節ですね。
昨年の『文学界』浅田彰レポートにも青山真治さんのことが書いてありましたね。
(青山の書いたものなど)「読むと思うなよ」と言い放つ相変わらずの柄谷さんに笑ってしまいました。

第4号、ありがとうございます!
中上は半端には読めないので長いこと読んでませんが、これを機会にハマッてしまう恐れがあるなあ。

希望部数と住所は後でお知らせします。
沖縄の秀でた文芸批評家・新城郁夫さんなどにも配れるかもしれません。
Posted by 24wacky at 2006年07月04日 09:56
おお、「神よ、なぜ私をお見捨てになったのですか!?」って十字架にかけられたイエスが言った言葉よね^^
私も「これ観にいこう」と教会の人に誘われたよ。
でも、まだ行けない・・・。

桜坂って上映期間短っ!!でいいのやるよね~
Posted by 新ちゃん at 2006年07月07日 09:01
キリスト教的な場面があるかというと、まったくない、かな。

たしか今日が最終のはず・・・
Posted by 24wacky at 2006年07月07日 13:26
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