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Posted by TI-DA at

2012年09月22日

最期に

放置状態から約10ヶ月ぶりの更新。

OAMのコンテンツ更新に集中していた。ツイッター、フェイスブックと新しいソーシャルメディアに比重が傾いた、などなど。更新できなかった理由を挙げればそんなところになるわけだが。そのことについてきっちりと書くべきだろうが、自分の中の整理がつかずうまく書けそうにない。

にもかかわらず今回改めて更新しようと思ったのは、現状の整理を書き留めておくには、やはりこのブログがふさわしいと思ったから。

現状というのは他でもない、OAMを始めて2年が経過し、結果個人的に陥っている現状のことである。早い話が一文無しに近い状態にあり、このままいくと近日中にインターネット利用料も支払うことができなくなるため、そうなる前にこのブログにそのことは書いておくべきであるという気がしたのだ。なんとなればこのブログこそ、私の表現行為の基本の場である(あった)から。そしてこの現状はOAMを始めた結果であることに違いはないが、あくまでその結果は個人的は問題であり、両者は区別しておきたいし、やはりそういうことはこのブログがふさわしいだろうと思ったわけだ。

この個人的で経済的な事情は春頃から深刻になっていた。そこから現在まで食うための仕事探しを続けてきた。予想はしていたが、40代の男に用意された仕事はそう容易く用意されてはいなかった。職種にも雇用形態にもこだわらずあたったが、20社以上書いた履歴書はすべて無駄になった。すっかりハローワーク通いも慣れてしまった。

よくぞここまでもったものだ。この間どうやってつないできたのか自分でも不思議である。確かに体重は減った。痩せた。納豆ご飯と水がおいしい。

痩せたことでひとつだけいいことがあった。昔の背広上下が着れるようになったことだ。この背広は二十代半ば、映画の編集の仕事をしていたときに、プロダクションの社長に買ってもらったものだ。小さいプロダクションの超ワンマン社長、かなりエキセントリックなおやじだった。当時スタッフのマネージメントを任せていた私に「お前は特別なのだ」というメッセージを含めて、そうすれば「こいつは逃げていかない」という算段もあっただろう。

プロダクションの近所の商店街にあった小さな店で買ったその背広は、この社長のほんの数秒のセンスで選ばれたもので、試着して鏡に映し出された自分の姿はお世辞にも似合っているといえないものだった。一言で言えばカタギには見えないのだ。

その社長のやり方には明らかに問題が多々あり、スタッフの入れ替わりは激しく、私もよく社員の面接をやらされた。そのうち私も身を引いた。

それ以来この背広を着る機会はほとんどなかった。背広を着るような仕事につかなかったのはあまりに自分らしく、なんら不思議ではないのだが。

ということは、この背広、いつもパリッとしていたわけだ。着ることはないのだが、かといって処分するにはもったいない。そして月日は経過する。その間何度か引越しをしその都度持ち物を処分するわけだが、この背広はなんとなくとっておいた。いつだったかの引越しのときに改めてこの背広の存在に気づき試着してみたが、上下ともパッツンパッツンで、もはや体に合わなくなっていた。自分も相応に歳をとったことを実感させられた。

そして沖縄へ移動した。ほとんどの荷物を処分し身を軽くして来たわけだが、この背広はなぜだか処分できなかった。もう着ることもないのに。

仕事探しは履歴書を送り書類選考で落とされることがほとんどなのだが、運よく面接をしてくれる求人に出くわした。そこで久々にこの背広の存在に気がついたわけだ。着れるはずはないのに袖を通してみると、なんとぴったりではないか!おまけに鏡をみると、けっこう似合っている。20代ではまったく似合っていなかったのに。20年もたっているのに、ほとんど着てないから新品のようにパリッとしているので気分がよいし。

そんないわくのある背広を着ても、面接の結果は現実的であった。いや、結果が出る前になんとなく感触で分かるわけだ。それでもそのときの風景はすがすがしかった。沖縄のある夏の日の昼下がり、20年ぶりに再会した背広は、それとなく自分の味方をしてくれている。そしてその沖縄の風景とも調和している。だからいいのだ。そんな気がした。


というわけで、この逆境を撥ね退けるために、目下ある本の出版を考えている。美木良介の「ロングブレスダイエット」に対抗して、24wackyの「オルタナティブメディアダイエット」だ。出版関係の方、乗りませんか?

  
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