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2009年07月29日

比嘉康雄と沖縄

これは行かねば!

没後10年、比嘉康雄展(仮)関連講座vol.2

 「比嘉康雄と沖縄」

場所:沖縄県立博物館・美術館 講堂(3F)
日付:7月31日(金)
時間:18:00~20:30
資料代:500円

プログラム:
映画上映
 「比嘉康雄」比嘉豊光撮影 宮古・狩俣にて(1997年、カラー、30分)
基調講演
 「比嘉康男とわたし」東松照明(40分)
シンポジウム
 「比嘉康雄の現場」
 コーディネーター:仲里効(映像批評)
 パネリスト:比嘉豊光(写真家)、小橋川共男(写真家)、翁長直樹(県立美術館副館長)

主催:沖縄県立博物館・美術館 比嘉康雄展実行委員会

お問い合わせ先:098-941-8200(担当:仲程)
  


Posted by 24wacky at 10:42Comments(0)イベント情報

2009年07月28日

沖縄アソシエーショニズムへ 32

模合など自立的な個別社会が残る沖縄は「デモも起きない不気味な専制国家」日本の中では例外であると柄谷はいった(沖縄アソシエーショニズム28)。これに関連した興味深い記事を沖縄タイムス7月27日付が報じている。  続きを読む


Posted by 24wacky at 17:07Comments(0)アソシエーション

2009年07月26日

沖縄アソシエーショニズムへ 31

宮崎学は『法と掟と・・・頼りにできるのは、「俺」と「俺たち」だけだ!』で社会には2種類あると述べている。家族、村落、地域共同体、学校、職場、労働組合、同業者の組合、などなど様々な各種団体を「個別社会」と呼ぶ。そこで規範となるのが「掟」である。一方日本社会、アメリカ社会、中国社会などのように国民国家レベルの社会を「全体社会」と呼ぶ。そこでの規範が「法」である。個別社会は個人にとって身近で具体的、自然発生的であるのに対して、全体社会は個人にとってより疎遠で抽象的、人工的な社会である。


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Posted by 24wacky at 21:50Comments(0)アソシエーション

2009年07月25日

沖縄アソシエーショニズムへ 30

与那国・自立へのビジョン

「与那国・自立へのビジョン」は「地方分権、行財政分野における『三位一体改革』等の進展に対応し、新しい住民自治の確立と活力ある島づくりが求められている」との背景から生まれた。新自由主義・小泉構造改革により地方の行財政に容赦のない切り詰めが押しつけられ、このままでは沖縄全体の自治崩壊が起こることに強い危機感を持つ島袋純を座長として、2004年に協議会が設立され、2006年に策定された。
     (画像クリック)
         ↓
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Posted by 24wacky at 13:53Comments(0)アソシエーション

2009年07月24日

参加と協働のまちづくり

市民メディアという言葉に思わず目が留まった。当日有益なディスカッションができるか?「協働」という言葉には眉に唾をつけつつ参加したい。

★第448回 沖大土曜講座 「参加と協働のまちづくり ~新しい公共をデザインする~」

新しい公共<参加協働型市民社会>のあるべき姿を「公共哲学」「地方分権」「人材育成」の観点から考察します。
その中で「コミュニティレストラン」「市民メディア」「協働協定書」など、市民社会を実現する具体的な事例や最新の動きを紹介します。
そうした話を受け、質疑応答を通して、沖縄の将来ビジョンを描く方向性を参加者各々で考える時間を共有することを望んでいます。
講  師: 世古一穂氏(金沢大学大学院教授、NPO研修・情報センター代表理事)
日  時: 2009年7月25日(土)午後4時~6時
場  所: 沖縄大学3-101教室
参加費: 無料
主  催: 沖縄大学 地域研究所
問合せ: 沖縄大学 地域研究所 【TEL】098-832-5599


  


Posted by 24wacky at 11:42Comments(0)イベント情報

2009年07月24日

沖縄アソシエーショニズムへ 29

与那国島が揺れているようだ。

与那国町長選の交換討論を中止
外間氏の参加辞退で

【与那国】
 任期満了に伴う8月2日投開票の町長選挙で、八重山青年会議所(座喜味盛行理事長)が19日に予定していた立候補予定者の公開討論会の中止が、17日決まった。
 立候補を表明している現職の外間守吉氏(59)、元町副参事の田里千代基氏(51)=14日付で退職のうち、外間氏が趣旨を理解しながらも「告示まで2週間もなく、小さな島に余計な混乱を招かないか危惧している」と理由を説明し、参加を辞退した。
 田里氏は「自衛隊誘致に賛成か、反対か、など町民の関心が高まる中で、議論を堂々とぶつけ合う機会を失った」と残念がった。
沖縄タイムス7月19日付

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タグ :与那国町


Posted by 24wacky at 00:45Comments(0)アソシエーション

2009年07月23日

こまっちゃクレズマ

昨夜は楽しみにしていた「与那原町制60才コンサート」を堪能した。出演はこまっちゃクレズマ、おおたか静流、越路姉妹。会場の与那原町社会福祉センターには、子供からお年寄りまで地元色の濃い人びとが席を埋めた。

最初に子供たちのためのワークショップとして、各楽器の説明などにかなりの時間を割いた。単なる余興ではない、子供を子供として扱う梅津さんの真剣さが感じられた。もちろんワークショップ自体はなごやかで楽しい。

越路姉妹は越路吹雪のカバーをロックバンド編成でアレンジしている。バンド自体もしっかりしているし、ボーカルが聴かせる。気に入ってしまった。




おおたか静流はNHK教育テレビに出演している(見たことがない)。たくさんのピュアな子供たちを相手に独自の世界を披露した。



こまっちゃクレズマは会場にマッチした演奏がさすが。恐らくほとんどの人が始めて聴いたであろうが、そんなことはどうでもよいとばかりに圧倒的なパフォーマンスであった。梅津さんは淡々と飄々と生真面目に演奏し、踊り、語った。このタイミングで生で聴くことができて最高ダゼ!


  


2009年07月23日

アナーキスト人類学のためのやかそば

昨日は一昨日に続き連日の名護以北徒然。午前中は日蝕でひんやりとした本部、今帰仁をまわる。本部在住時に大変お世話になったOさんがいるかなと自宅前を通ったら、ちょうど空を見上げているところだった。久しぶりの再会でしばしのゆんたく。現役体育会系のOさんは相変わらずお元気そうで70歳を超えているようにはまったく見えない。

午後から宜野座方面へ。ランチにはあの伝説的なやかそばへ初侵入。まなぶたさんがさんざん褒めちぎる味をついに体験できるぞ。と早まる興奮を抑えつつ店内に入り食券を買おうとすると、24wackyの名前を呼ぶ声が。

合意してないゴッドねーちゃん・あさんがいるではないか。そして白人男性も同席している。・・・ということはもしやデイヴィッド!?楽しみにしていた前日の今宵はグレーバーとが昼間の用事が押したため参加できなくてとても残念で仕方がなかった、そのアクティヴィストのデヴィッド・グレーバーだ!辺野古、高江へ案内する前の腹ごしらえをしているという。あさんから紹介していただき、ここはしっかり同席させていただいた。

意想外の展開に感涙に咽びつつそばに喉を詰まらせつつ、前日はどうだったか、運動のスタイルについてなどの話から始まり、抵抗運動とオルタナティブな倫理=経済運動の違いについて、マルセル・モースの『贈与論』を運動に繋げる理論とは、などなど質疑応答をさせていただく。ちょっぴり予習した著作の内容に合致するグレーバー氏の応答であった。



いやー、それにしてもまさか初めて行ったやかそばでそばを啜るデヴィッド・グレーバーに会えるとは。すっかりやかそばの味を吟味することも忘れてしまった。もちろん美味しかったのはいうまでもないが。とにかくこの奇跡的な場所を提供してくれたやかそばとあさんに感謝するゼ!
  


Posted by 24wacky at 09:02Comments(0)イロイロ

2009年07月21日

名護以北徒然なるままに

所用でやんばるに行ってきた。思わず携帯からアップしてしまった前記事レストハウスぶながやHPを改めてリンクしておく。

ここに行く前に養豚業界の革命戦士だいごの喜如嘉邸を突然訪ね、「昼飯食べるんだけど、どっかいいとこ無い?」とさして期待せずに尋ねたところ教えてくれたのがこのお店。感謝するぜ、チェ・だいご!

58号線やんばる北上といえば共同売店(と思うのはオイラとマキシアツシくらいか)。海辺のワインディングロードを Drive My Car しながら残念な光景を発見。



浜共同店のシャッターが閉まっている・・・

裏側もこのとおり。



2007年の季刊カラカラ別冊『共同店ものがたり』取材時に、浜共同店の紹介としてこう書いた。

閉店の話も出たが「地域のためにがんばりたい」と引き受けたのが現在の店主・・・(省略)。「共同店にはコミュニケーション、情報交換など様々な役割がある。だからそう簡単に失くすわけにはいかない」と語ってくれた。

またひとつ、個別社会の拠点が破壊されていくのか。

こちらは数年前にリニューアルされた喜如嘉共同店。

  


Posted by 24wacky at 22:28Comments(2)イロイロ

2009年07月21日

レストハウスぶながや

58号線沿喜如嘉でランチ中。安心県産素材を使ったイタリアン。豆腐ステーキ、ライス、スープ、サラダ付きで500円。この味でこの値段!場所柄か客が少ないのが残念。皆さんどうぞご利用ください。お薦めです!
  

Posted by 24wacky at 12:41Comments(4)

2009年07月21日

基地ナシ!埋立ナシ!自立できる沖縄づくり!?

田中優さんが何を語るかよりも、いかに語るか。そのことを特に沖縄でさまざまな運動をしている人たちには参考にしてほしいです。

関連記事
戦争は最大の環境破壊 沖縄・田中優さん講演

■トーク&ライブ案内
田中優& マエキタミヤコトークライブ
「基地ナシ!埋立ナシ!自立できる沖縄づくり!?」
ドキュメンタリー映画を通して交流する「映画井戸端会議」特別版!1日限りのスペシャルトークライブが決定!

<出演>
(トーク)田中優、マエキタミヤコ
(ミニライブ)カクマクシャカ
(司会)KEN子

7/24(金)18:30開場/19:00開演
【会場】テンブスホール(那覇市ぶんかテンブス館4F)
【入場料】前売券1000円/当日券1200円 ※モズクとアーサの試食あり!
■桜坂会員は会員証ご提示で当日でも1000円で入場可!(スタンプサービスはありません。)
◆お問合せ◆
「クラップハンズ事務局」098-897-8871→http://www.claphands2.com
「桜坂劇場」098-860-9555(担当:松浦)→http://eigaidobata.jugem.jp

今、沖縄で大問題となっている基地やリゾート開発、埋立、ダム建設などによる「自然破壊」といつも天秤にかけられる「経済」。これから先もずっと「外」からのお金に頼らないと沖縄は生き続けられないの?その答えを見つけるためのヒントを「おカネで世界を変える」田中優さんと、「チャーミングに世界を変える」マエキタミヤコさんにズバリ聞いちゃいます!!沖縄からはカクマクシャカも参戦!3人のお話をいっぺんに聞けちゃうなんて、沖縄では二度とないチャンスかも?!

【田中優さん/プロフィール】
1957年東京都生まれ。地域での脱原発やリサイクルの運動を出発点に、環境、経済、平和などの、さまざまなNGO活動に関わる。現在、立教大学大学院、和光大学大学院、大東文化大学の非常勤講師。著書(共著含む)に『環境破壊のメカニズム』『日本の電気料はなぜ高い』『おカネで世界を変える30の方法』(合同出版)『今すぐ考えよう地球温暖化!1〜3』(岩崎書店)『おカネが変われば世界が変わる』(コモンズ)『環境教育、善意の落とし穴』(大月書店2009年1月刊)他多数。
【マエキタミヤコさん/プロフィール】
広告メディアクリエイティブ[サステナ]代表。1994年よりNGOの広告に取り組む。エコ・ライフスタイル・メディア「エココロ」編集主幹。テレビ朝日「素敵な宇宙船地球号」番組内「エココロテレビ」企画監修。「100万人のキャンドルナイト」よびかけ人代表幹事、主著『エコシフト』講談社現代新書。東京外国語大学平和構築Peace&Conflict Studies助教。立教大学・上智大学非常勤講師。東北芸術工科大学・京都造形大学客員教授。
  


Posted by 24wacky at 00:22Comments(0)イベント情報

2009年07月20日

四川のうた

桜坂劇場へ『四川のうた』を観にいく。

かなり期待したのだが・・・ダメだ。
やっぱりプロの俳優を混ぜちゃいかん。  
タグ :四川のうた


2009年07月20日

デヴィッド・グレーバー来沖

マルセル・モースの『贈与論』だけ読んだんだけど。『資本主義後の世界のために』また明日にでもジュンク堂で座り読みしようかな。

★7月21日午後14:40より
「前衛主義の後に何が来るのか」
What Comes after the Twilight of Vanguardism?
@琉球大学法文棟304教室
講師:デヴィッド・グレーバー
ロンドン大学ゴールドスミスカレッジ准教授。M.モースの「贈与論」をラディカルに読み解く人類学者にして、アクティヴィスト。シアトル以後の世界的な反グローバリゼーション運動の趨勢を「アフィニティ・グループ」「スポークス・カウンシル」「合意形成」などのタームで鮮やかに分析した。『アナーキスト人類学のための断章』(高祖岩三郎訳、2006年、以文社)、『資本主義後の世界のために』(高祖岩三郎訳・構成、2009年、以文社)のほか、雑誌『VOL』にインタビュー、エッセイが翻訳出版されている。

★7月21日午後18:00 open/ 19:00 start
「るー大占拠キャンプ出張編:今宵はグレーバーと」
In the Twilight Hour: Lou-Chans Welcome DG to OK
@宜野湾市G-shelter
(R330沿い中部商業高向かいバイク屋地下)
あのガヴァン・マコーマックやコーネル・ウェストをお迎えした伝説の地下室!G-shelterで、DG歓迎会を開催します。まずは、るーちゃんたちが、スライドショーを見ながら占拠キャンプを振り返り、その後、グレーバーさんに、世界中で起こっている大学占拠についての話も交えつつコメントしていただく予定。怪しい集団BMKによるDJもあるかも。マイ・ラヴがタンブリン・ダウンしちゃう真夜中まで待つのはウィルソン・ピケットですが、待てないわれわれは、真夏の長い薄闇の時間を、DGと共に過ごそう!ってなわけで、入場は投げ銭システム、フード飲みもの持ち寄り大歓迎系です。
  


Posted by 24wacky at 01:46Comments(0)イベント情報

2009年07月17日

与那原町制60才 こまっちゃクレズマ

所用で与那原町役場に行って、置いてあったフライヤーから得た情報。ななんと、あの梅津和時率いるこまっちゃクレズマのライブがある。それが「与那原町制60才お誕生コンサート」というタイトルなのだからなんとも想像を超えた企画だ。ドラマーはRCサクセションの新井田耕造だぞ。梅津のサックスと耕ちゃんのドラムが生で聴くことができるんですよ!出演は他におおたか清流、越路姉妹他。

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Posted by 24wacky at 21:53Comments(7)イベント情報

2009年07月14日

才能を商品化する

「初期のRCサクセションから80年代からのロック・スターとして自己規定した忌野清志郎へのつながり」はSTさんのみならず渋谷陽一にとっても難問であった。
まだ涙がでない 500 Miles
サウンドストリート ゲスト忌野清志郎
1987年3月のインタビューで、キヨシローはその生い立ちについて、かなり詳しく開陳している。この頃には既に渋谷を信頼するようになっていたのだろう。



2枚目のアルバム『楽しい夕べに』以降盛り下がっていく活動、悲惨な日々の生活がある種の達観、厭世観と共に語られ、やがて仲井戸麗一が加わりバンドのスタイルが変わるその時。渋谷はかつてサウンドストリートですかされたその疑問を再びぶつける。そしていよいよその核心が語られる。

●メンバー・チェンジだけでなく、その時点で音楽的な方向性も大幅に変わるわけですよね?

「そうですね、それまでの時期というのは世間に認められようが何しようが、自分の感覚的なものをですね、表現しようと思ってたの。でも結局それがよくないんじゃないかと思って、やっぱもっと分かりやすい単純なリズムでやったほうがいいんじゃないかと、ストーンズを研究したわけよ、ついに(笑)・・・・『シングル・マン』までは凄い真面目に取り組んでいたんだよね、自分に対して、でもそれじゃいけないと思って(笑)、もっと一般受けするようにハデなことしなきゃ売れないんだと思ったんだよね。いくらいい才能を持っていても」

●そういうもの凄い認識の転換というのは何をきっかけにして起こったんですか。

「それはあの・・・・その時期に結婚しようと思ったのね。そしたら、相手の親父が怒鳴り込んできてさ(笑)、『何だお前は!』みたいな感じで怒られて。ちきしょう、これで売れてりゃ何でもないのになと思ってさ。それで考え直したの、売れなきゃいけない、自分の才能をもっと商品化しなきゃいけないんだって」

キヨシローとチャボの「研究」はストーンズのみならず、キッスやセックス・ピストルズなど見境が無い。そのようにして《おいらは~だぜ》《愛し合ってるかい?》など『RHAPSODY』のスタイルが確立されていく。

ところで商品化というのはレコード会社や所属事務所によって「プロデュース」されるのが常である。この頃のRCには既にその商品価値さえないと見放されていたのだろう。そのことが幸いした。

しかし注視しなければならないのはそのことではない。《売れなきゃいけない》と自らを省みて「研究」した結果が、新たなる才能の噴出だったという事実に我々は驚くべきである。

オイラのRCベスト・アルバムはなんといっても『シングル・マン』である。『シングル・マン』も聴かずにキヨシローについてオイラと何か語ろうなどという輩とはつきあいたくない。

しかし同時に『RHAPSODY』の冒頭“よぉーこそ”の出だしこそRCサクセションだという思いにも揺るぎが無い。自分も含めてあの頃のRCファンたちはその両極の振幅を、矛盾を、わけも分からずしかし確信を込めて支持していたのだ。あの頃はそんな2つとないグジュグジュでインモラルで圧倒的な数年間だったのだ。
  


2009年07月13日

ROCKIN' ON JAPAN 清志郎追悼特別号

「ROCKIN' ON JAPAN特別号 忌野清志郎1951-2009」は表紙写真が全てを現している。毒々しくこちらを睨んでいるRC時代のキヨシローのアップ。後期の柔和な彼には無い狭い心や他者への攻撃性が余すところなく写し出されている。



本書は渋谷陽一によるかつてのロングインタビュー、今回改めてなされた仲井戸麗一、坂本龍一へのインタビューという構成になっている。キヨシロー、チャボ、坂本と渋谷は同世代である。だから世代論的な構成ともいえる。そのことも俄かファンを寄せ付けない硬質な手触りを与える。

俄かファンは便乗商品に群がる。便乗商売繁盛大繁盛!例えばこんな商品に。「忌(いまわ)-忌野清志郎は生きている!」それにしてもこのカスタマーレビューはいい。本当のファンはやっぱり許せないだろう。

それはそうと渋谷は巻頭でこんなことをいっている。清志郎にとって多くのことが自明であったが、唯一RC時代の自分自身に対してコンプレックスを感じていたのではないか、そのことをアルバム『KING』が出た時に気づいたという。

ソロになって清志郎はRCではない自分のスタイルの確立に向かった。彼の才能を持ってすればソロにおいてもRCに負けないものを作ることは十分に可能である。しかし清志郎は、ソロにおいてRC的なものから遠く離れようとした。それは彼の意地だったかも知れないが、ある意味それは本来的に持つ才能に対する抑圧になってしまう危険も持っていた。・・・(中略)『KING』は、RC的なるものを清志郎がソロにおいても解禁したアルバムだ。このアルバムを聞いて、僕は清志郎がRC時代の自分自身にコンプレックスを持っていた、という確信を持った。・・・(中略)“激しい雨”の《RCサクセションがきこえる》という歌詞は、聞く者にいろいろな思いを抱かせる歌詞だ。僕には清志郎が、清志郎自身に対するコンプレックスさえ乗り越えていった勝利宣言のように聞こえる。

渋谷同様私もRC時代とソロ時代の二元論にこだわる。
まだ涙が出ない サラリーマン
また2・3'sはRCの清志郎の破壊だとした。
まだ涙が出ない お弁当箱
“激しい雨”に関しては《「RCサクセション」を「希望」の別の名で呼ぶに至る》と書いた。
まだ涙が出ない 激しい雨

だいたいこのあたりは渋谷と一致している。渋谷が鋭いのは、清志郎がRCから意図的に離れようとすることで、才能を抑圧する危険性があると指摘している点だ。そういわれるとソロ時代の清志郎の無定形振りが極めてスリリングであったことに今更ながら震えがくる。当時私はその無定形振りを必ずしも理解できていなかったのだが。

彼の死以降、そのソロ時代に改めて興味が湧いた。とりわけ最後の『KING』『GOD』『夢助』を圧倒的三部作とし、いつか論じてみたい気がしている。

続く
  


2009年07月12日

ジュンク堂で愉しいお買い物

日曜の昼下がり、ジュンク堂へ。デヴィッド・グレーバー来沖に合わせて『アナーキスト人類学のための断章』を求めるが在庫無し。2,3週間前に1冊あったはずだが。4月に出た『資本主義後の世界のための新しいアナーキズムの視座』が1冊残っていたので買おうかどうか思案。というのも前回購入した『新しいアナキズムの系譜学』高祖岩三郎著(グレーバーの紹介者、翻訳者))がどうも馴染めなかったので。高祖氏の文体がそうさせるのかスラスラ読み飛ばしてしまってこちらの中に入ってこない。

ということで『資本主義後の~』をシートに腰掛けしばらく読み耽る。これはなかなか読み得る。『資本主義後の~』は高祖氏によるグレーバーへのインタビューを中心に構成されている。関心があるのはマルセル・モース『贈与論』への言及箇所であるため、やはり先に『アナーキスト人類学のための断章』を読んだ方がよいだろうという結論に達する。読み飛ばしているので熟考できていないが、グレーバー=高祖のアナーキズム運動論では、マルクス主義=理論偏重よりもまずは実践それも多様性を肯定という態度のようだ。アナーキズムこそ理論的であるべきではないのか。現在の様々な運動を肯定するのは良いが、そこにはやはり「中心」があるべきなのでは。

それはそうと、ついついこんなものに目が行ってしまった。小熊英二の新刊ではないか!相変わらずハンパでない分厚さ。しかも上巻だけ。しかも6800円。こんなものオイラに見せるのやめてくれ~。

お目当ての緊急性の高い本数冊をゲット。ということで今日も村上春樹の新刊を買いそびれた、初めて実物を見ることができたのに。これほど大騒ぎになると返って遠のく。かつて大江健三郎の新刊を出るごとに読んでいたのに、ノーベル賞受賞したらぷっつり読まなく待ってしまった現象に似ていなくもない。要するに天の邪鬼なのです、オイラは。



帰り道に目についた「江戸食堂」閉店の貼り紙。45年も営業していたのか。気になっていたけど結局一度も入ることがなかった。この道も久方振りに通ったが、やっぱり歩かないと駄目だね。待ち歩きは自分の基本だな、自分には街が性に合っているのだなとつくづく思った。こういうの目につかない人はまったく目につかないのだろうし。  
タグ :ジュンク堂


Posted by 24wacky at 22:48Comments(0)イロイロ

2009年07月11日

『沖縄「自立」への道を求めて』出版記念の集い

昨年のシンポジウム「押しつけられた常識を覆す」の成果が本になったという。このように言説のポリティクスをきっちり形にしておくことは、たとえ迂遠に見えようとも必要な営為である。

第1回の様子はこちらから
     ↓
沖縄に「押しつけられた常識を覆す」、那覇市の集会で学者が議論

『沖縄「自立」への道を求めて』出版記念の集い(お知らせ)

 これまでの沖縄に対して実施される国の施策を当たり前のものとし受け入れ現状を肯定し固定化するような、これまで「常識」の
ごとく流布されてきた言説に対して疑問を持ち「今こそ発想の転換を!」必要とすると思ったが集まり、抜本的な批判に取り組み
「押しつけられた常識を覆す」ことを目指して4度のシンポジウムを開催しました。その成果が、今回まとめられ、本年7月15日に
高文研から『沖縄の「自立」への道をめざして』が出版される運びとなりました。
この機会に出版記念の集いを開催しようと思います。書評について、集いの場で、高嶺朝一さんと長元朝浩さんのお二人に切り込
んでいただきます。評をいただき、質問があれば各執筆者が答えることにします。その後に、懇親の場へと移りたいと思います。な
にとぞご参加頂ければ幸いです。

著作:宮里政玄・新崎盛輝・我部政明編著
 『沖縄「自立」への道を求めて-基地・経済・自治の視点から-』高文研(定価1,700円)
時と場所:7月25日土曜日6時半 八汐荘(那覇市松尾TEL 098-867-1191) http://www.kourituyasuragi.jp/hotels/51yashioso/index.html

 (集い実施案)   
 【第1部 書評の部】 午後6時半~7時半      
 1 開会あいさつ
  宮里政玄(「今こそ発想の転換を!」実行委員長、沖縄対外問題研究会代表)
 2 書評
  ☆高嶺朝一氏(琉球新報社長)
  ☆長元朝浩氏(沖縄タイムス論説委員長)
 3 書評を受けての締めのコメント
  新崎盛暉(実行委員・沖縄大学名誉教授)
 【第2部 懇親会】午後7時半~9時          
執筆者は参加予定。編著者上記3名以外、大城肇・来間泰男・桜井国俊・佐藤学・
島袋純・平恒次・仲地博・星野英一・前泊博盛・松元剛・宮田裕 
※懇親会費:2000円(程度を予定)
※出版書は、懇親会費とは別に執筆者価格にて会場において販売致します。

連絡先:島袋純:沖縄自治研究会895-8473 junshima@edu.u-ryukyu.ac.jp 



ファイティングポーズのこの方は本業の一周年興行のため?欠席らしい  


Posted by 24wacky at 18:36Comments(2)イベント情報

2009年07月10日

沖縄アソシエーショニズムへ 28

個別社会、中間勢力が滅ぼされた日本では、公共性に関心がない「私化」した個人が生み出されてしまった。しかし例外があると柄谷はいう。それが沖縄だ。私の知る限り、柄谷が沖縄について具体的に言及するのはこれが始めてである。ということもあり、講演の要約とは別枠で、当該箇所を以下に引用する。

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Posted by 24wacky at 10:44Comments(0)アソシエーション

2009年07月09日

『沖縄10年戦争』

桜坂劇場で『沖縄10年戦争』を観る。沖縄のやくざ組織琉栄会の宮国派幹部金城友行(松方弘樹)と伊波派の伊波朝市(佐藤允)、伊波朝勇(千葉真一)は共に沖縄戦の壕体験を持つ幼馴染みだった。そこに海洋博利権を求めて関西錦連合のボス(小池朝雄)が介入する・・・

沖縄やくざ抗争を本土系やくざが包摂するという基本構造は『沖縄やくざ戦争』と同じ。細かい人間ドラマ、性格付け、脇役の設定などがより構築されている。

クライマックスは大阪やくざの奸計にまんまと陥れられた伊波朝勇らが生まれシマの亀甲墓に避難する、そこでの銃撃戦である。そのとき少年時代の沖縄戦の壕での記憶がフラッシュバックされる。忠実に再現された墓内と墓外の銃撃戦が、単なる鉛の弾の応酬ではない錯綜振りを招来させる。息子の最期を銃撃の音で知る老いた父親(加藤嘉)は沖縄のオジイ「らしくない」が泣かせる。