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2011年03月31日

酔いどれ詩人と夜を明かす

昨夜はいよいよ明日4月1日に迫ったOAM「オルタナ・クール」のゲスト川満信一さんと打ち合わせと称し酒を飲む予定であった。夕方川満さんから電話が入る。川満さんらベテラン芸術家の集まり「越境の会」の会合が重なってしまった、よければそちらに顔を出してみてはというメッセージだった。

所用を済ませ、桜坂の某アジトへ。想像はしていたが、二階の座敷席には川満さんと同世代の沖縄の芸術家たちの錚々たる顔触れが集まり既に宴たけなわ。川満さん、高良勉さん、仲里効さんに軽く挨拶し、9日のシンポジウムのチラシなどをいただく。ややあって半分ほどが帰宅。そのまま続く芸術談義に参加する。川満さんを中心に詩と絵画の応答、琉球共和社会憲法など議論は尽きない。相手の話を遮らずじっと耳を傾けるダイアログが自分の間合いにあっている気がし、なんとも心地よい。

OAMの活動について説明すると、詩人岡本定勝さんから「それはゲリラのようなものか?」と訊かれ「まさにそうです」と応えると、「自分はそっちのほう(インターネットなどIT関連)はまったくやらないが、あなたのやろうとしていることの話を聴いて納得し、刺激を受けた」とありがたいお言葉。

1時を過ぎ、川満さん、Kさん、タイムスOBのIさんとごいっしょさせていただき、岡留さんの「瓦屋別館」へ二次会。岡留さんに前回の番組出演のお礼をいう。カウンターには「抱瓶」の女将、高橋淳子さんの着物姿が。岡留さん、淳子さんも加わり、さらに話が盛り上がる。大田昌秀、島尾敏雄などなど興味深い話題の数々。岡留さんの話題の7割は下ネタ。あのいかがわしさの半分くらいは見習いたいものだ。高橋淳子さんとお会いできたのも収穫。

帰る頃には6時を過ぎていた。

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OAM

「ナマ(今)とぅびぃん! オルタナ・クール」第9回予告

日時:4月1日(金)19時~21時

場所:カフェcello (那覇市泉崎)

○OAMダイアログ

タイトル:思想にゆられて
4月9日に詩人・思想家の川満信一さんを基調としたシンポジウムが行われる。沖縄の自己決定権とは。国家とは。思想の継承とは。シンポ前日にゆっくりと話を伺う。

ゲスト:
川満信一さん
1932(昭和7)年4月30日、沖縄・宮古島に生まれる。1952年琉球大学国文学科入学。『琉大文学」に参加。1956年沖縄タイムス社に入社(記者)、鹿児島支局長、「新沖縄文学」編集長、文化事業局局長など歴任。  


Posted by 24wacky at 23:20Comments(0)キモチE

2011年03月31日

放射性廃棄物とは 前編

引き続きNAM環境系MLへの投稿過去ログから。

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『原子力発電で本当に私たちが知りたい120の基礎知識』 
広瀬隆 藤田裕幸著(東京書籍 2000年)


第2章 核燃料サイクルと放射性廃棄物の行方


39 高レベル放射性廃棄物の最終処分の方針

・地層処分計画
  
  使用済み核燃料を硝酸に溶かして核分裂生成物を取り出す
      ↓
  高レベル廃液となる
      ↓
  高温度のガラスに溶かしながら、ボンベ状のステンレス容器(キャニスター)に注入する
      ↓
  ガラス固化体となる
      ↓
  この高レベル放射性廃棄物(死の灰の塊)を地中(最終処分場)に埋め、人間から隔離しようとする     


40 原発が生み出す電力と廃棄物の量

 Q:原子力を推進する電力会社と国の説明には、「ごく微量のウランが大量のエネルギーを出す」という文句が頻繁に使われるが、これは本当だろうか?

 A:微量のウランが大量のエネルギーを生み出すという話は、ウラン残土から超危険物の高レベル廃棄物に至る放射性廃棄物の総量のうち、0.00004%の重量にしかならない部分だけを説明しているに過ぎない。その部分を核分裂に利用しても、掘り出した資源の残り99.99996%を再利用できず、廃棄しなければならない産業が、原子力である。

・100万キロワットの巨大原発があったとする。これが平均稼働率80%で運転すると、1年間で70億キロワットの電力(2000年時点で日本の消費電力の0.8%)を生み出す。

・この原子炉を一回(ほぼ一年間)運転するには、核分裂性ウランを1トン必要とし、その核分裂によって30トンの使用済み核燃料(のちの高レベル廃棄物)と、ドラム缶1000本の低レベル廃棄物が発生する。

・この30トンの使用済み核燃料をガラス固化体に変えて地中に処分しようとすれば、再処理が必要になり、高レベル廃棄物のキャニスターが30本発生し、全プルトニウムが300キログラム(うち核分裂性プルトニウムが約200キログラム)発生、さらに残りがウラン(現在ほとんど用途のない回収ウラン)となる。

・また核分裂性ウランを燃料として1トン燃やすには、濃縮加工工場で低濃縮ウラン燃料を30トンつくり、原子炉に装荷しなければならない。その濃縮過程では、160トンの「劣化ウラン」が有害廃棄物として発生する。 

・またその燃料工場の原料を製造するには、精錬工場で190トンの天然ウランを分離抽出する必要があり、その過程で天然ウランの700倍近い重量の有害残滓13万トンが発生する。

・しかもその精錬原料である13万トンのウラン鉱石を生み出すには、ウラン鉱山で一次原料を採掘し、ウラン鉱石の20倍近い250万トンのウラン残土が発生する。

・これだけ大量の危険な放射性物質を発生して、ようやく0.8%の電気が発生する。

・2000年時点で、日本の商業用原発51基(4491.7万キロワット)を運転するために、毎年この45倍の廃棄物を生み出し、電力の35%ほどがつくられている。

・資源のリサイクルと、毒性物質の大幅減少が求められる時代に、これほど原料を無駄に捨てながら、危険物を放出するエネルギー産業は他にはない。


41 廃炉から出る廃棄物の行方

 Q:原発の寿命は?そして、廃炉の処分は?
 
 A:金属材料の寿命は、通常の大型機器では30年であり、中性子など強力な放射線を受け、高温度と高湿度、振動にさらされる過酷な条件で使われる原子炉は、すでに大半が老朽化して危険領域には行っている。

 ところが新しい原発の建設がほとんど不可能な社会状況を迎えた苦境の原子力産業は、原子力部門の技術者を維持するために老朽機器のメンテナンスで生きのびながら、従来考えられてきた寿命30年を大幅に延ばして、危険な原子炉を使い続けようとしている。

 それでも日本の原発は、1966年に最初の原発が運転開始以来、34年が経過し、これから続々と閉鎖(廃炉)になる。仮に2041年までに全ての原子炉が閉鎖されるとすれば、閉鎖原子炉の全てが巨大な放射性廃棄物になる。

 ところが原子力安全委員会(放射性廃棄物対策専門部会)は、廃炉で生ずる放射性コンクリートや金属の9割以上を、一般廃棄物として捨てられる、という報告書を98年12月15日に公表して、一般消費者だけでなく、工業界でも問題になっている。

 続いて、通産省の諮問機関・総合エネルギー調査会が99年3月に出した「産業用原子力発電施設解体廃棄物の処理処分に向けて」と題する報告でも、原子炉周囲の格納容器内部だけを放射性廃棄物として扱い、残りは全て一般廃棄物とする方針となった。これは量が膨大であるため、これを放射性廃棄物扱いすると、処理コストがかかって採算がとれないという理由から、一定以下の放射能であれば切り捨てるという乱暴なプランである。

 つまり、全体の97%に相当する大部分の放射性廃棄物が、一般ゴミとして、日常の家庭生活に侵入してくるのである。


42 高レベル廃棄物(ガラス固化体)の放射能量とは

 Q:最近、「地中から掘り出した放射性のウランを、使い終わったあと放射性廃棄物として地中に戻すのが最終処分だから、問題ない」という説明がなされることがあるが、これは本当だろうか?

 A:ウラン燃料1トン中の放射能は、100ギガベクレルである。これに対し、核分裂後に取り出された使用済み核燃料1トン中の放射能は、100億ギガベクレルである。つまりウランを原子炉で燃やせば、核分裂によって放射能が一挙に1億倍に増大する。地中にあったものを、再び地中に戻すというどころの話ではない。

 Q:2000年3月に閣議決定された高レベル廃棄物の地層処分計画では、ガラス固化体として管理した後、30年後に地層処分が開始され、ほぼ100年後に処分場を埋め戻して閉鎖する予定である。1億倍にも高められた放射能はどうなるのであろうか?

 A:原子炉から取り出して約1ヶ月後の使用済み核燃料が、ほぼ5年後にガラス固化体と変わり、30年後にも放射能は1/30までしか下がらず、100年の長期に渡って管理した後でも、放射能はまだ1/160にしか下がらない。

 人間の世代に置き換えれば、父母の世代に地中から掘り出したウランを使って電気を使い、とてつもなく放射能を高めてから、まだほとんど放射能が下がらない30年後に、その息子と娘の時代になって、地中に埋め始める。そして100年後に、この埋め戻し現場に立ち会い、危険物の上で生きてゆかなければならない孫や曾孫にとって、祖父母や父母が犯した罪は極めて重大かつ許し難い問題である。

 Q:ガラス固化体の放射能は、人体に対してどのような危険性を持っているのか?

 A:動燃と改組後の核燃機構は、ガラス固化体のキャニスターの傍らに人間が立っている写真をパンフレットに多用し、安全のPRにつとめてきたが、万一そのような場所に立てば、人間は即死する。

 ガラス固化体のキャニスター表面では、1時間あたり1万4000シーベルトのガンマ線を被曝する。人間は、短時間に50シーベルトのガンマ線に被曝すれば、2日以内に全員が死亡するが、キャニスター表面は、そのほぼ300倍の放射線を放っている。

 さらに、キャニスター容器から1メートル離れても420シーベルト、2メートル離れても140シーベルトを被曝して死亡する。


(つづく)
  


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2011年03月29日

放射性廃棄物とは

引き続きNAM環境系MLへの投稿過去ログから。

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『原子力発電で本当に私たちが知りたい120の基礎知識』 広瀬隆 藤田裕幸著(東京書籍 2000年)

第2章 核燃料サイクルと放射性廃棄物の行方


29 「再処理」の世界の動向

 原子炉から取り出された使用済み核燃料中のプルトニウムとウランを取り出す化学処理を、「再処理」という。

 商業用再処理工場は、アメリカ・ドイツが断念し、日本にはフランスをモデルとして東海村に小規模工場が建設されたがトラブル続きで、97年3月11日の低レベル放射性廃棄物のドラム缶爆発事故以来、2000年9月現在まで操業を停止している。

 2000年まで、フランス(ラ・アーグ工場)とイギリス(セラフィールド工場、旧ウィンズケール)だけが本格的な商業用再処理工場を運転し、各国の使用済み核燃料を受け入れてプルトニウムを抽出してきたが、日本と並ぶ最大顧客のドイツが、両国に委託してきた再処理は国策として放棄され、また、ヨーロッパ全土が契約解除に動き出した。

 日本が委託してきた再処理も後数年で終わるため、フランスとイギリスが再処理工場を経営するための資金は全く見通しが立たず、将来の操業は事実上不可能となり、増殖炉の断念に続いて、世界中はすでに再処理からも撤退する方向に大きく歩みだしている。

 それでもなお日本だけは、2005年から六ヶ所村で再処理工場の操業を開始するという計画が、行政の机上では生き続けている。


30 再処理のプロセス
<<省略>>


31 再処理の危険性

 再処理には、以下のように大きな技術的問題がある。

1)大地震による貯蔵プール破壊--その場合には、水抜けによって燃料が水から顔を出し、熱崩壊のためメルトダウン事故を起こす可能性が高い。また再臨界事故を起こす危険性もある。96年末に完成した現在のプール容積は、燃料棒集合体にして最大1万2千2百28体の貯蔵が可能といわれ、満杯時には10万キロワット級原子炉15基分ぐらいの使用済み核燃料が収納されるため、想像を絶する事故になる。

 なお、六ヶ所村の再処理工場が実際には運転されない可能性も高く、その場合には、このプールが日本最大の使用済み核燃料中間貯蔵施設に化ける恐れがある。

2)核燃料を硝酸で溶解する行程
 ・使用済み核燃料は、極めて放射能の強い状態にある。これを強酸の熱硝酸で溶かそうとすると、溶解槽の金属に腐食が進行しやすい。そのため、溶解槽の穴あき事故が多発してきた。穴あき事故は、そのまま放射能漏れにつながる。
 ・分離工程では、全行程が爆発しやすく、アメリカ・ロシア・イギリスでは、たびたび化学爆発事故を起こしてきた。

3)再処理工程で、化学的にもっとも不安定な状態が、死の灰を溶解した硝酸溶液である。この溶液は、後に高温度のガラスに溶かし込んで固め、ガラス固化体とするが、その固体になるまでは、高レベル廃液として最大の放射能をかかえたまま、厳重に管理されなければならない。フランスやアメリカの事故例を見れば、高レベル廃液タンクがいかに危険かがわかる。


32 再処理の現実
33 再処理が生み出すもの

 六ヶ所村の巨大再処理工場は、フル操業した場合、年間800トンの使用済み核燃料を再処理する計画である。2000年時点で、日本全土の原発51基から生み出される使用済み核燃料は年間1000トン前後であるから、その放射能の8割を一カ所に集めて扱うことになる。

 科学プロセスは複雑で危険であるため、多数の液層と長大な配管から放射能が漏洩することは避けられず、原発のほぼ200倍の規模で、日常的に放射性物質を排気筒と排水溝から排出する。放出される放射能は、法律上許容される年間管理値として定められているが、原発で放出してはならないプルトニウムなど(アルファ放射体)が、再処理工場では年間96億ベクレルも放出可能である。放射性のクリプトンやキセノンなどの希ガスは、東海第2原発の1400兆ベクレルに対して、六ヶ所村再処理工場ではその約236倍の330000兆ベクレルを放出し、放射性水素のトリチウムは、液体で18000兆ベクレル、気体で2000兆ベクレルを放出してよいことになっている。

34 再処理時の臨界事故の危険性は
35 再処理時の安全性のデータは
 
 Q:六ヶ所村に建設中の再処理工場を運転する臨界防止条件について、信頼性の高い、いかなるデータが日本にあるのだろうか。

 A:臨界反応を左右する因子は、容器の形状、ウラン濃度、温度、気泡の量、流動状態、圧力などかなり多く、日本にはこうした複雑系の全ての臨界因子を説明できるデータは存在しない。


36 臨界事故の可能性は他にはないのか--東海村と人形峠
<<省略>>


37 再処理工場のコスト

 高速増殖炉の実用化と同様、六ヶ所村再処理工場の実用化の見通しも先送りされ続け、当初予算では、7600億円で建設できるはずだったはずが、兵庫県南部地震後に急いで耐震性が見直され、2倍以上の1兆8800億円に膨らんだと見る間に、99年にはさらに2兆1400億円まで安易に増額された。実際に操業しようとすれば、さらに増えるだろうといわれている。


38 プルサーマル・再処理の計画が撤回されない理由は

 プルトニウムの生産・利用計画は、95年12月8日の高速増殖炉「もんじゅ」のナトリウム火災事故から破綻が始まった。この事故のため、高速増殖炉の見通しが立たなくなり、プルトニウムを生産する理由を失って、事実上は、六ヶ所村の再処理工場を運転する目的が自然消滅した。

 常識的に考えれば、これで六ヶ所村の全計画は無に帰したはずである。ところが、それでは困る事情が電力会社側に存在した。

1)フランス・イギリスとの再処理委託契約によって、海外で取り出されたプルトニウムと高レベル放射性廃棄物は日本に返還される約束になっている。このうち後者の廃棄物は、「もんじゅ」事故の約7ヶ月前から六ヶ所村の貯蔵庫に搬入が開始され、返還を停止することは契約上、不可能である。海外から返還される高レベル廃棄物を搬入するためには、どうしても「六ヶ所村は核燃料サイクル基地である」という看板を下ろすことができない。

2)日本全土で運転中の原発は、現地にある使用済み核燃料プールが満杯に近づきつつあり、全国平均ではほぼ数年でパンクしようとしていた。これらのプールから使用済み核燃料を取り出す送り先は、海外契約の全量7100トン分が輸送完了した現在、六ヶ所村の再処理工場しか存在していない。しかし、再処理工場に建設された巨大プールには(前述のように、増殖炉の破綻による再処理工場運転の動機の喪失によって)、全国からそこに使用済み核燃料を送る理由が成り立たない。したがって原発の運転を続行するには、ここでも、絶対に「六ヶ所村は核燃料サイクル基地である」という看板を下ろすことができない。

 こうして、二つの理由から、「六ヶ所村は今も必要な核燃料サイクル基地である」とうまく説明するシナリオを再構築する必要に迫られた電力業界は、増殖炉から急いで方針を切り替えた。それが、97年はじめに打ち出された、高浜原発と福島原発と柏崎原発を皮切りに、プルトニウムにウランを混ぜて使う「プルサーマル計画」であったのだ。 

 これによって、返還プルトニウムと高レベル廃棄物と使用済み核燃料という3つの放射性物質、全て六ヶ所村に持ち込む(表面上の)理屈を説明でき、それによって、当面は原子力発電所の運転を続行できる、という目算である。

 そのプルサーマルを正当化するため、前述の通り「プルトニウムはリサイクルせず、核兵器原料プルトニウムも消化できない」にもかかわらず、「プルトニウム資源の有効利用」(リサイクル)、「核兵器原料プルトニウムの消化」などといった、極めて苦しいPRが大々的に展開されることとなったのだ。

(しかしエネルギー革命と電力自由化の前に財政苦境の電力会社が、これ以上、無用の資金を再処理工場につぎ込むことはあり得ない。電力会社の経営を側面から支えてきた国家金融機関も苦しく、国と地方自治体あわせて600兆円の借金を抱えて2000年度を迎えた。電力会社を救うどころではない。六ヶ所村への融資が切れる日がやってくるのは、時間の問題である。六ヶ所村の再処理工場は、膨大な死の灰をかかえたまま操業されない可能性が高い---このように著者は推測している。)

(つづく)
  


Posted by 24wacky at 20:54Comments(0)アソシエーション

2011年03月29日

プルトニウムとは

引き続きNAM環境系MLへの投稿過去ログから。

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 『原子力発電で本当に私たちが知りたい120の基礎知識』 広瀬隆 藤田裕幸著(東京書籍 2000年)

第2章 核燃料サイクルと放射性廃棄物の行方


15 原子力発電の原理

 原子炉で使われるウランには、ウラン235とウラン238の二種類がある。 ウラン235に中性子が衝突すると、原子核が分裂して熱を出す。これに対してウラン238は、中性子が衝突してもほとんど核分裂せず、中性子を吸収すれば短時間でプルトニウム239に変化する性質がある。そのプルトニウムに中性子が衝突すると、やはり原子核が分裂して熱を出す。

 これらの熱を利用して蒸気をつくり、タービンを回すのが原子力発電の原理である。

(地中から採掘される「天然ウラン」の中には、「核分裂するウラン235」がわずか0.7%しか入っていない。そのため核分裂する0.7%の部分を取り出して集め、濃度を3~5%まで高める。この作業が「濃縮」である。)


16 プルトニウムと高速増殖炉

 残りの99.3%を占めるウラン238に、原子炉の中で、核分裂からでる中性子をぶつければプルトニウムに変わる。この原理を応用しようとしたのが、資源を増やすという「高速増殖炉」である。

 日本で計画されてきた高速増殖炉「もんじゅ」の場合、中心部にプルトニウムを20%前後に濃縮したウラン・プルトニウム混合酸化物燃料(MOX燃料)を入れておき、その周囲にウラン238を配置し、高温度の金属ナトリウムをどろどろの液体として使う。

 中心部のプルトニウムが核分裂しながら、その熱をナトリウムに伝えて発電エネルギーとし、一方、核から飛び出した高速度の中性子がナトリウムの中を走り、これを周囲のウラン238に捕獲させる。こうしてウラン238がプルトニウム239に変化する。消費されたプルトニウムより、新しく生まれたプルトニウムの量が多ければ資源は増殖するということになる。

 こうした(資源を増殖できるとする)考えから第2次大戦後、「原子力の時代」が大いに宣伝されたのであり、まず、ウランを燃料とする原子炉でプルトニウムを生産にすることに力が注がれることになった。


17 プルトニウム増殖の具体的シナリオ

 ウランを燃料に使う原子炉では、水中で高速中性子を走らせ、スピードを落とした中性子(熱中性子)を使う方が、ウラン235が核分裂しやすい。原子炉の中にある水の役割は、「中性子の減速と、燃料棒から熱を奪う冷却」を兼ねている。このように普通の水を使う原子炉を「軽水炉」といい、2000年時点で運転されている日本の商業用原子炉51基は、全て軽水炉である。

 ウランが核分裂を続け、燃料棒が放射性廃棄物によって危険な状態に近づくと、大体1年に1度、原子炉を止めて、3分の1~4分の1の燃料を交換する。こうして取り出された使用済み核燃料の中には、すでに1%程度のプルトニウムが蓄積されている。その使用済み核燃料を、硝酸と爆発性有機溶剤を用いて科学的にウランとプルトニウムを取り出し、精製するプロセスを「再処理」という。

 「原発」のウラン原子炉におけるプルトニウム生産→「再処理工場」におけるプルトニウム抽出→「高速増殖炉」によるプルトニウム増殖。

 この再処理技術の確立と、取り出したプルトニウムを燃やす専門の原子炉「高速増殖炉」、この二つの技術開発が、戦後の原子力の技術開発の真の目的であった。しかし、現在では、再処理はアメリカ、ドイツが撤退し、増殖炉はアメリカ、イギリス、ドイツ、フランスが、いずれも開発に失敗して断念してしまった。(2000年現在では、イギリスとフランスが、かろうじて再処理工場だけを運転しているが、この両国ともプルトニウム増殖という当初の目的を失ってしまったので、もはや再処理工場も、閉鎖は時間の問題と見られている。)

 日本は、1995年に高速増殖炉「もんじゅ」がナトリウム火災を起こして運転を停止し、電力業界でも絶望的と見られるなか、「2005年に再処理工場の操業開始」の看板を掲げて、未だに計画が断念されていない。


18 世界が高速増殖炉に失敗した理由

高速増殖炉の無数の危険性

1)燃料のプルトニウムは耳掻き一杯で数万人を殺戮できるほど毒性が大きく、プルトニウム239は放射能が半減するまでに、2万4千年を要するほどである。

2)プルトニウム燃料は、ウランに比べて中性子を吸収しやすく、そのため核暴走が起こりやすく、核暴走のスピードも大きい。しかもこのような核暴走に対して、増殖炉では制御棒の他に対策がなく、軽水炉に備えられている緊急炉心冷却装置(ECCS)さえ持たない。

3)アメリカの高速増殖炉では炉心融解事故を2度も起こしているが、わずかでも炉心融解が起これば、プルトニウム濃度がその部分で高まり、急速な臨界反応によって原子炉が原爆化する可能性がある。

4)燃料から熱を奪うために使われるナトリウムは、金属パイプの壁1枚を隔てて、発電用として水蒸気を発生させる水と隣り合っている。ナトリウムは、水と反応して爆発炎上し、高温では空気とも反応して炎上する性質がある。さらにナトリウムは腐食性が大きいので、配管事故が起こりやすく、伝熱パイプに亀裂が生じたり破損すれば、たちまち爆発に進展する可能性が高い。

 このようなナトリウム漏洩または噴出事故が起こった場合、大量の高温ナトリウムと水分および空気との直接反応による爆発的火災だけでなく、周辺構造物のコンクリート中の水分と反応して水素が発生し、コンクリートがミサイル状態で飛散して大事故をまねく可能性も高い。

 フランスではナトリウムへの空気混入事故が起こり、ドイツではナトリウム火災事故が頻発し、高速増殖炉を断念するに至った。

5)軽水炉の水蒸気温度がほぼ300度でるのに比べて、高速増殖炉ではナトリウムが500度以上、水蒸気温度も500度近い高温である。また、伝熱パイプの内側と外側の圧力差は、130気圧と極めて大きい。

 このように、高温・高圧の厳しい条件にさらされているため、ごくわずかな金属欠陥があるだけで大事故を誘発しやすい。

6)日本の原子力産業は、茨城県大洗町にある増殖炉の実験炉「常陽」が事故を起こしていないことを安全の論拠としていたが、発電しない「常陽」には、ナトリウムから水に熱を伝えるもっとも危険な蒸気発生器部分がないため、その実績は安全の根拠としてほとんど意味を持たない。


19 高速増殖炉のコスト

高速増殖炉(原型炉)「もんじゅ」--電気出力28万キロワットの発電用を兼ねた原子炉--の場合。
 当初の計画では建設費360億円であったものが、95年12月8日のナトリウム火災事故発生までに約16倍の5900億円に膨らんだ。(直接費)
 高速増殖炉の開発全体では1兆524億円の事業費を要し、さらにプルトニウム燃料の開発を含めると1兆5959億円という巨額の税金が投入された。
 (そしてそれで得た発電の収入などは、わずか6億円に過ぎなかった。)
 しかも事故発生後は、配管に流れているナトリウムを固まらせないよう保温を続けなければらず、1ワットも電気を生み出さない原子炉でありながら、その維持管理に99年までの4年間で600億円の浪費、高速増殖炉の関係予算合計では1200億円を食いつぶしてきた。(以上、増殖炉に直接関わる出費)

 動燃(98年10月1日に改組された現在の「核燃料サイクル開発機構」)は、科学技術庁の年間予算およそ5000億円のうち、組織を維持するだけで毎年1500億円前後を使っている。この国民出費は、「もんじゅ」火災を起こした95年前後に欠損が1291億円に達し、67年に動燃が設立されてから28年間の累積欠損は、1兆4441億円にもなっていた。

 今後、万一「もんじゅ」が運転されるようなことがあっても、採算がとれないことは明白であるが、それを知りながらいまだに莫大な予算が組まれている。核燃機構(旧動燃)は科学技術長傘下の特殊法人であり、増殖炉開発に使われている予算は、全て国民の税金である。

ちなみに1兆2500億円が投資されたフランスの高速増殖炉(実証炉)「スーパーフェニックス」も、1兆3000億円が投資されたドイツの増殖炉・再処理路線も、現在は断念され撤退している。


20 プルトウム増殖の理論は事実上破綻した

 「核分裂しないウランを利用してプルトニウムを増殖する」というもくろみそのものが、実際の増殖炉リサイクルのなかで効率的に起こらないことが判明した。最近の知見によれば、高速増殖炉が無事故で運転されても、プルトニウムが100倍になるのではなく、90年後にプルトニウムがようやく2倍になる可能性があるに過ぎないという。

その理由は1)実物の原子炉では、今まで語られてきたような高い増殖率でプルトニウムがうまれない。

2)増殖炉運転のためには、燃料のプルトニウムを再処理によってリサイクルし続けなければならないが、その処理の間に膨大なプルトニウムのロスが生じること。

3)リサイクルを順調に進めるためには、完璧な増殖炉を大量に必要とすること。

さらに大きな問題として、「増殖炉から発生する使用済み核燃料」を再処理する技術が日本にはない、ということがあげられる。この化学処理に成功しなければ増殖炉リサイクルのシナリオ自体が成り立たない。

 「増殖炉から発生する使用済み核燃料」は「軽水炉から発生する使用済み核燃料」に比べ、燃料1トンあたりの放射能が4倍以上、発熱量も2倍以上あるため、溶解プラントの金属材料が耐えられず、全く手がつけられない。

 高速増殖炉から出た使用済み核燃料の再処理は、商業技術的に100%不可能である。


21 1995年の「もんじゅ」ナトリウム火災事故の本質
<<略>>


22 プルサーマル計画とは

 「もんじゅ」の事故ほぼ1年後の97年1月から、「プルサーマル計画」なるものが、いきなり表舞台に登場してきた。「プルサーマル」とは、ウラン燃料のかなりの部分を最初から「プルトニウム混合燃料」に置き換え、従来の軽水炉を運転しようとするものであり、これに使われるプルトニウム混合燃料は「MOX燃料」と呼ばれている。

 現在、この計画は、関西電力用プルトニウム燃料を製造していたイギリスの核燃料公社BNFLによる検査データ捏造・悪質な製造実態の暴露によって、続いて東京電力用プルトニウム燃料を製造していたベルギーの工場における検査データの不備が明らかになったことによって、事実上延期を表明せざるを得ない状況に追い込まれている。

 この検査データは、プルトニウム燃料が炉心融解という最悪の事故を発生させるかどうかの鍵を握る、最も重要な判定資料であるが、通産省はこの捏造データの実態を早くから知りながら、国民に隠していたことが明らかとなっているし、福島県や新潟県の住民がこの(捏造前の)オリジナル・データの公開を求めても、東京電力は公開していない。


23 プルサーマル計画の危険性

1)核暴走しやすいプルトニウムが大事故を早める
 プルトニウム燃焼における最大の問題は、燃料棒内部のプルトニウム周辺で核分裂が加速される点にある。従来のウラン燃料でも、核分裂しないウラン238がプルトニウム239に変化して核分裂するが、軽水炉ではプルトニウムの核分裂が全ての燃料棒でほぼ均一に起こっていたのに対して、プルサーマルでは不均一にMOX燃料を配置し、軽水炉の数倍から10倍の高濃度のプルトニウム量であるため、暴走の危険性が著しく高まる。

2)事故発生時に制御棒の能力が低くなる。
 地震の際には、沸騰水型の原子炉内の沸騰水の気泡と中性子の関係が大きく変化し、核暴走の可能性があることが明らかになっている。そうした事故の際は制御棒が挿入されることによって危険を回避するが、プルトニウムが大量に使用される場合には、プルトニウムが中性子を大量に吸収し、その周囲の中性子が減っているため、緊急時に中性子を吸収して核分裂を停止させる制御棒を挿入しても、機能停止は遅れる。

3)燃料棒の破損が炉心融解事故を起こしやすい。
 加圧水型を主流とするフランスの体験では、長期間にわたってプルトニウム燃料を核分裂させると、燃料棒の内部でガス発生が顕著になり、燃料棒を破裂させる危険性が高いことが94年に明らかにされた。燃料棒の破裂は、そのまま炉心融解という末期的事故につながるもっとも危険な現象である。

4)日本には危険性を評価する実証データがほとんどない
 加圧水型では88~91年に美浜1号で4体のプルトニウム燃料、沸騰水型では86~90年に敦賀1号で2体のプルトニウム燃料集合体をテストしただけであり、ごくわずかな量を短期間使用した小実験である。それを基にコンピューター解析しただけで「安全」と断定した通産省と原子力委員会らの判断は、未知の出来事を憶測した結果に過ぎない。

 とりわけ高浜原発で計画されてきたプルトニウム使用量は、高速増殖炉「もんじゅ」級の1トン以上であり、世界で未経験の危険な運転である。福島原発と同じ沸騰水型原子炉の場合、全世界でプルサーマルの実績があるといわれてきたが、82年までに各国が撤退し、最近ではほとんど実例がない。唯一、大出力でプルサーマルを実施したドイツの原発も、「プルトニウム利用の完全放棄」へと道をとり、全世界からプルサーマルからの撤退を決定したため、日本の模範となる実績データがない状態にある。

5)放射性廃棄物の危険性が高まる
 プルサーマル運転によって、原子炉の中では、放射性ヨウ素とトリチウムの発生量がこれまでより増大する。また、放射能の寿命が長く、毒性の高いネプツニウム237、プルトニウム240、プルトニウム242、アメリシウム241などが増加し、これまでの原子炉以上に危険性が高まる。


24 プルトニウムを利用した場合の核拡散の危険性
 
 プルトニウムは数キログラムというごくわずかな量があれば、容易に核兵器に転用できる。

 プルトニウム量は、膨大なものに達している。日本がフランスとイギリスに再処理を委託したため、98年末時点で、核分裂性プルトニウムが海外で27トン、国内の東海再処理工場で6.4トン回収され、うち8.9トンが「常陽」「ふげん」「もんじゅ」の燃料などに使われたが、在庫量として残り24.5トンが蓄積されいる。これは長崎原爆に換算して3000発以上の材料である。


25 プルトニウムはリサイクルする?
 
 電力会社は、プルトニウムを貴重なエネルギー資源であると説明し、ウラン資源の節約論を言い始めた。プルサーマル運転によって、ウラン資源の1/4(25%)も節約できるという「うまい話」である。しかし、

1)電力会社の「ウラン25%節約」という数字は、実際には8%程度でしかない。

2)そもそも前述のように、プルサーマル運転によって出てくる危険な使用済み核燃料からウランやプルトニウムを回収するための再処理技術は日本にはない。よって、ウラン25%節約のシナリオは空論に過ぎない。

3)運転後は、使用済み核燃料のなかに、新たにプルトニウムが発生してしまうので、全体的なプルトニウムの量は減ることがない。

 フランス・イギリスから返還されるプルトニウムを一度プルサーマル運転にかけるだけで、以後は再処理をしなければ資源はリサイクルせず、プルトニウムは「減少」しているかのように見える。ようするに、プルトニウムという放射性廃棄物を処理するために、致し方なく危険なプルサーマル運転を強行する、というのが正しいシナリオである。フランス・イギリスで取り出してしまったプルトニウムを日本は消化しなければ「核兵器原料を保有しない国際公約」を守れず、電力会社が原発の運転を続行できなくなるからである。

 もしプルサーマル運転に技術的な危険性がなければこのシナリオは成り立つかもしれないが、前述のような理由でそれは不可能である。


26 プルサーマルの経済性

 プルサーマルによって浪費されるエネルギーは、再処理工場の建設、ウランとプルトニウムの回収、膨大な量の高レベル放射性廃棄物の発生、プルトニウム燃料の製造と輸送、原子炉の燃料配置の設計変更、無数の危険性対策などを合計すると、「数%のウラン節約」では到底引き合わない。


27 できてしまったプルトニウムをどうするか

 Q:すでにイギリス・フランスで取り出してしまったプルトニウムをどのように管理するか?

 A:イギリス・フランスから返還される純粋なプルトニウムに、日本へ輸送する前に不純物を大量に混合して焼結し、再処理前の「高レベル放射性廃棄物」に戻してやる。これによって、「核兵器問題」と「プルサーマル運転の危険性」と「再処理工場の危険性」という問題を3つ解決できる。(残る、高レベル廃棄物の管理に関しては後述。)


28 プルトニウム利用による電力価格は

 プルトニウム燃料の製造工場は日本にはなく、海外に製造を依頼しているが、それによって燃料コストはさらに高くなった。その契約金額が秘密にされているため価格は不明だが、イギリスの核専門家の解析では、プルトニウム燃料は2000年時点における国際的ウラン価格の4倍になると報道されている。
 また、再処理をするには、再処理工場を建設するだけで2兆円を要する。そこから抽出されるプルトニウムの用途は、増殖炉の将来を失った現在、全てプルサーマル用のものだけである。したがって2兆円はプルサーマル・コストであるから、電気料金を1割~2割以上押し上げる要因となる。

 先進国が原子力発電をスタートした本来の目標地点は、プルトニウムの有効利用にあった。ところが危険性と経済性の両面で、いずれもプルトニウムから撤退せざるを得なくなった。こうしてプルトニウムの有効利用は不可能であることが産業的に実証された以上、日本でも当然、原子力時代の終え方を議論しなければならない時期にある。

 過去の日本のエネルギー行政は、国民のために安全にかつ安価にエネルギーを供給するというもっとも単純な最大の目的を見失い、論理性を欠いている。それは、エネルギーの全体像をとらえる専門家が行政に不在のまま、原子力畑の人材が中心になって(独占支配的に)行政を進めてきたため、必然的にまねいた過ちである。この人事メカニズムが解決されない限り、いつまでも時代遅れの誤った政策を国民に強要し、税金の浪費が続くことになる。

(つづく)
  


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2011年03月27日

なぜ日本は原発をやめないか

引き続きNAM環境系MLへの投稿過去ログから。

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 『原子力発電で本当に私たちが知りたい120の基礎知識』 
広瀬隆 藤田裕幸著(東京書籍 2000年)


第一章「もし原発を停止したら」をまとめました。
レポートのテーマは「なぜ日本は原発をやめないか」です。

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なぜ日本は原発をやめないか

九十年代以降、原発廃止が世界的潮流であるにも関わらず、日本は新たにその灰色の城を建設しようと企んでいる。東海村JCOの事故を体験した後となっては、三重県芦浜原発、新潟県巻町など原発建設に対して、住民の激しい拒絶にあうのは至極当然のことであるが、それでもまだ、悪知恵を働かせて、あの手この手でこの国は原発にこだわろうとする。それはどのようにして、そしてなぜなされるのか。

日本の原子力産業は、電力の三分の一を占める原子力を止めたら大規模な停電が起こり、電力総需要は増加の一途を辿っているので、原発を増設し続けねば供給が追いつかないと主張する。が、これは言葉のトリックである。電力の三分の一云々は年間総需要について言えることであり、実際どれだけの発電所を建設すれば電力が足りるかを決めるのは、年間総需要ではなく、年間最大電力である。電力は貯蔵が困難なエネルギーであるため、生産された電力は同時に消費されなければならない。さらに変動する電力需要に応じて生産されることをも要求される。ゆえに、原発を止めるとどれだけの電力が不足することになるかを論じるには、年間でもっとも大量に電力を消費するその瞬間にどれだけの電力の過不足が生じるか、という論点でなければ正しくないわけだ。

猛暑の続いた二〇〇〇年の夏、東京電力の十七基の原発のうち七基が、事故や定期検査のため停止していた。それでも停電はしなかった。さらに、これに揚水発電の設備容量を加えるならば、真夏のピーク時に原発を止めてもまだ100万キロワットの余力があり、そのことはつまり原子力のすべてが過剰設備であることを意味する。大規模な停電など起こりようはずもない。なのに、何故、どのように原発の発電量は多くなるのか。

原発は巨大なシステムであり、原子炉の出力や冷却水の温度や圧力などが全体として微妙なバランスが崩れると、大事故を起こす危険性があるため、出力や需要に応じて自由に変動させることができない。そこで、原発は深夜最小電力以下の電力の供給にしか使うことができない。この深夜最小電力以下の電力を「ベースロード電力」と呼ぶ。《昼夜を問わず消費し続けるベースロード電力は原発が、昼間の変動する部分(ミドルロード電力)は主に火力発電が電力を供給し、夏の鋭いピークロード部分は水力発電が電力を供給している。》(31ページ)

ここから「日本の電力の三分の一が原子力」説が見事に導き出される。しかし、それはあくまで運用のやり方であり、原子力を火力に変えても、火力を七〇パーセント程度上げればそれで済む。それでも火力には余力が残っている。故に、年間の総電力需要の観点からも、原発は不要な過剰設備といって構わない。そもそも、この三段階の役割分担から見ても、電力会社が盛んに宣伝している、原発を増やせばその分火力が減らせるので、炭酸ガスの発生量を減らすことができるという説には正当性が無い。

原発を増設するためには、深夜電力の消費量が増加されねばならない。これが「深夜の安い電力を利用する」という言葉の裏に隠された本当の理由である。そしてそれらは実行された。まず、深夜料金の大幅値下げである。だが、これだけでは不十分だ、ということで以下の三点セットを試みた。すなわち、電気温水器・電気自動車・エコアイス。

電気温水器はエネルギー効率がきわめて悪い。無駄な電力の消費を奨励しているようなものだ。電気自動車は、実は普通の自動車より炭酸ガスの発生量が多い。排気ガスを直接車から出さずに発電所から出すからだ。その深夜電力の主役はもちろん原発である。エネルギー効率の点からも、環境負荷の点からも手放しで推奨するわけにはいかない。そして最後に、エコアイス。深夜に水を氷点下まで冷やし氷にして、それを昼間に溶かし冷房で使う。経済効率が良くてもエネルギー効率が素人目にも良くないものが「エコアイス」などと名乗って宣伝されている。かなり無理がある。しかし、これらだけでは更なる原発増設には充分でないと判断した電力会社、政府は、より一層無理のある、決定的にグロテスクな悪巧みを考えついた。それが揚水水力発電である。

揚水水力は~上流側のダムだけではなく、発電所の下側にもダムを作って水を溜めておき、深夜の余剰電力で下のダムの水を上のダムに汲み上げる施設である。《つまり、深夜に一〇〇万キロワットの電力を使って水を汲み上げ、これをふたたび落として発電すると六十五万キロワットの電力に転換することができ、三十五万キロワットの電力を自動的に゛消費”することができる施設ということである。》(42ページ)

まさに大量の深夜余剰電力の垂れ流し状態と言える。これほどまでにして、森を壊し、水を汚し、原発にこだわる、なにゆえの理由があるのだろうか。そしてそういう輩に対抗する手段とはいかなるものが可能であろうか。
  


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2011年03月26日

災害時にどう行動するか

高木学校Bコース第4回連続講座
「これからの原子力問題 ー防災・地震・廃棄物ー」
第1回 原子力防災 -生命は守れるかー

2001年11月10日(土)
カタログハウス・ホール


Part 2 : 情報

原子力災害時に、市民・住民が自ら情報を取得して、自ら判断し、行動するために必要なこととは。

「原災法」では、専門的に対処できる国が中心に防災を進めるということになっているが、事故は人為的に起こることも多く、その事実は隠され、捏造される。情報は行政が管理し、市民をその下に従わせようとする。情報の流れは左から右へ一方的である。データで見ると、事故の情報はテレビ、ラジオが多く、たまたま見ていなければ速報として機能しない。

東海村は全国でもまれに各戸に防備無線を備えている。しかし、放送のしかたに平常時とあまり差がなかったため、気づかなかった人も多いという。現在ならインターネット、携帯電話の共有によってより早い認識、判断が可能ではないか。

原子力災害における初期動作の重要性は「原災法」でも謳われているが、現実には、国が主導権を握っているため、係官の到着を待つことから始まっている。初期動作の重要性を考えるならば、測定器やモニタリングポストを増やし、各原子力事業所のリアルデータを公開していくことである


Part 3 : 避難

このセクションでは事故が起こった場合の東海村を対象としたシミュレーションを行った。村外への脱出がどのように行われるか、道路への車両の集中はどうなるか、といったことを図示しながらの講義だったので、メール上では伝えにくいこともあり、結論めいたことを簡単に紹介するに留めておく。

個人ができること。避難行動の原則は『避難する方向は風向きに対して直角方向』そして『少しでも遠くへ、迅速に逃げること』である。そのためには事故の発生を早く知ることが必要なのであるが、既に述べた通り、行政からの情報は遅いと覚悟したほうがよい。重要な情報は『事故の場所と時間、事故の規模、風向(及び風速)』である。車で避難する場合、交通規則などの情報も加わる。事故現場から比較的近い幹線道路は規制される可能性が高いであろう。高速道路、鉄道の規制、封鎖も考えれれる。
  


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2011年03月25日

防災と緊急医療体制

高木学校Bコース第4回連続講座
「これからの原子力問題 ー防災・地震・廃棄物ー」
第1回 原子力防災 -生命は守れるかー

2001年11月10日(土)
カタログハウス・ホール

Ⅱ部 防災と緊急医療体制

1) 許容線量と防災体制の線量基準
Ⅰで説明した知識は実際の防災計画に生かされているはずだと当然思うところであるが、どうだろうか。
原子力施設でなんらかの異常事態が発生し、空気中の放射線量が通常の約100倍の5マイクロSv になった時にはじめて、当該事務所から県や市に異常発生の通報義務が生じます。さらに平常時の1万倍(500マイクロSv )になった時に緊急事態宣言が出され、原子力災害現地本部(オフサイトセンター)がようやく設置される。この段階で、住民を退避させるのか、避難させるのか、避難させるのならどの方角へ、どのように屋内に避難させるのか協議が始まる。この基準線量レベルの場所に2時間いるだけでも、1年間の公衆の被ばく線量限度に達してしまう。全身の被ばく線量が10から50mSv になると予測される段階になって屋内へ退避、それ以上でやっとのこと避難となる。こんなことではみすみす被ばくしなさいと言っているようなものではないか。

2) 緊急医療体制
予測被ばく線量が50mSv 以上になると避難が始まる。避難場所はコンクリートの建物ということで、公民館、体育館などが選ばれる。そこで、医療救護班が放射能汚染検査を行う。汚染が発見されると、除染室で除染する。そして被ばく程度に治療の必要があると判断された場合には、第二次緊急医療施設に運ばれる。

そこでさらに専門家の診断を要するケースになると、放射線医学総合研究所で治療を受ける。この高度の技術と設備が整った施設が、全国に10ヶ所程度で、1施設1人位!しか収容できないのが現状だという。多数の被爆者が出た場合、重症患者は見捨てられることになる!

3) ヨウ素剤は何故飲むのか、ヨウ素剤の配布
原発事故で放出される放射能の中に放射性ヨウ素がある。これは、呼吸したり食物から体に入り、甲状腺に蓄積する。子供は甲状腺癌になり易い。体内に放射性でないヨウ素を取り入れることによって、放射性ヨウ素が入ってきても甲状腺に溜まるのを防ぎ、尿や便に排出する。そのためにヨウ素を飲む。しかしヨウ素剤は放射性ヨウ素が体内に入ってくる前に飲んでおかないと効果は半減するので、(原発近辺の)各家庭に配布してあるべきであるが、今のところ薬事法その他の理由により、そこまでに至っていない。現在、原子力安全委員会被爆医療分科会ヨウ素剤検討会っていう、見るからに対応が遅そうなところで審議中とのこと。

4) 茨城県の防災訓練に参加して 結論にかえて
2001年9月29日、茨城県で防災訓練が行われ参加したわけだが、これは「原子力災害対策特別措置法(原災法)」が制定されてから初めてのものである。事故想定は、「核燃料サイクル開発機構・再処理施設で臨界事故が発生し、希ガス、ヨウ素の放出が続いている。このまま臨界が継続し24時間続けば、事故地点から2km までが50mSv をこえ、風下4km までが屋内退避をする線量10mSv を超える」というもの。
この訓練は事故発生地点の風下に避難する!など避難の原則を理解していないものであった。全体的な印象として、「被ばくゼロ」にはほど遠い内容であった。
  


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2011年03月24日

放射線による健康障害

10年ほど前、NAM(New Associationists Movement)という社会運動の組織で活動していた。資本と国家への対抗運動を掲げるその組織において、私は主に「関心系環境」というカテゴリーで活動していた。エネルギー問題について、反原発の立場から、市民発電所をデザインするという話題が特に盛り上がっていた。

今回そのMLの過去ログを10年ぶりにのぞいてみた。私の原発関連の知識は当時のままだが、ほとんどこれで十分な気がする。自分の投稿で今でも役立ちそうなものをピックアップして紹介する。

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11月10日(土)、高木学校の講座に出席してきました。そのレポートをします。

高木学校Bコース第4回連続講座
「これからの原子力問題 ー防災・地震・廃棄物ー」
第1回 原子力防災 -生命は守れるかー

2001年11月10日(土)
カタログハウス・ホール

高木学校
原子力問題研究グループ

参加者数 約50名

今日の講座は3部に分かれた構成になっていました。一部づつ紹介します。

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Part 1 : 放射線による健康障害と緊急医療体制

Ⅰ部 放射線による健康障害

1) 内部被ばくと外部被ばく
事故発生後の放射線、放射物質(これを放射能という)は、どのような経路で人体に影響を及ぼすのであろうか。風に運ばれる、放射能を含む細かい粒子、この空気のかたまりを放射性プルームという。プルームの下にいる生き物はプルームからの放射線で被ばくする。このように体の外側から放射能を浴びることを外部被ばくという。JCOの事故の被害者は外部被ばくにあたる。それに対し、呼吸することや、放射能に汚染された水・食物を体内に入れることによって放射線を浴びることを内部被ばくという。
外部被ばくを防ぐ手段としては、コンクリート、鉛、パラフィンなどで放射線を遮断することである。体に放射能がついてしまった場合、除染という、洗い出し作業をする。
内部被ばくの場合、放射能を取り除く有効な手段はない。唯一有効なのは、放射性ヨウ素による甲状腺被ばくを避けるために飲まれるヨウ素剤であるが、これはそれ以外の放射能には効き目がない。

2) 放射線障害の分類
被ばく線量が多く障害が早く現れることを早期障害という。それは急性障害とも呼ばれ、出血、嘔吐、下痢、感染症、そして最悪の場合死亡する。急性障害及び白内障は、放射能を一定線量以上浴びれば間違いなく障害がでるので、確定的障害と呼んでいる。一定線量以上の放射線を浴びた時に障害がでる、その境界の線量を「しきい値」という。
急性障害から回復後、あるいは低線量の放射能被ばくで、その時は症状が出なくても、10年、20年、50年後、がんや白血病になる可能性があり、そういった障害のことを晩発障害という。

3) 放射線障害の経過
急性障害の典型例を挙げる。
被ばく後1時間から2時間すると、吐き気、嘔吐、下痢などの症状が現れる。これが第一期。この症状は2日から5日で治まり、外見的には症状のわからない状態が2日から7日続く。これが第二期(潜伏期)。だが体内では障害が進行していて、血小板、赤血球、白血球などが減少した結果、出血症状、貧血、感染症、下痢、ショックなどが複合的に現れ重い場合死亡に至る。これが第三期(発症期)。記憶に新しいJCO事故のニュース報道では、このあたりが生々しく伝えられた。

4) 放射線量と急性障害
そのニュース報道で、盛んに使われた耳慣れない言葉「シーベルト」。これは放射線量を表す単位で「Sv」と表記される。体内に入った放射の、そのエネルギーによって体を構成する細胞の遺伝子(DNA)や蛋白質の結合が切られてしまい、放射線障害の原因になる。人体にどれだけのエネルギーが作用したか、あるいは人体がどれくらいのエネルギーを吸収したかによって障害の程度が決まる。
人間の場合、一度に6~7Sv の放射線を浴びると99%以上死亡する。被ばくした人の約50%が死亡する線量は4Sv 程度といわれている。5Sv で永久的な不妊症に陥る。

5) 胃腸死のメカニズム

6) 被ばくしたマウスの小腸

5)、6)はイラストによる説明がないと不分明なので省略します。

7) 低線量放射線による障害
国際放射線防備委員会(ICRP)が定めた値から判断すると、おおよそ「1万人がそれぞれ1mSv 被ばくすると、その中の1人に放射線による癌が誘発される」と覚えておいていいのではないか。
放射線作業従事者が被ばくしてもよいとされている限度が1年間に50mSv で、5年間の総計が100mSv を超えない量となっている。これが一般の人より1年間に50倍も放射線を浴びてかまわないとされているのはどういうことだろうか。許容線量をこれくらい高い設定にしなければ、放射線作業が成り立たないからです。JCO事故で被ばくし、症状を訴える住民に対し、「症状の出るはずのない線量だから」という理由で、行政は真剣に対処していない。
参考までに。実は私たちは医療行為で被ばくしてきている。胸のX線集団検診では、1回に0.5mSv、胃のX線集団検診では、0.6mSv、X線CT検査では、何と6.9mSv も!

8) しきい値とは

これも省略します。
  


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2011年03月24日

ジュンク堂チェック2011_3_21


『統ばる島』 
池上永一著 ポプラ社

人気作家池上永一の最新作。まだ一度も読んだことがない。


『民主党政権下の日米安保』
小沢 隆一 丸山 重威【編】 花伝社

「九条改正に反対し、安保・自衛隊を容認する高校生」など、日米安保に焦点を絞った内容。



『薩摩藩の奄美琉球侵攻四百年再考』
沖縄大学地域研究所編

シンポジウム採録



『学問と現実の津梁』
宮里 政玄 著 琉球新報社

先日新報元社長高嶺さんと食事をしたとき、「沖縄のエリート」の文脈で名前が挙がった。



『通詞牧志朝忠の生涯』 
長堂 英吉 著  ニライ社

じっくり読んでみたいものだ。



『沖縄苗字のヒミツ』
武智方寛著 ボーダーインク

なぜ〈金城〉はカナグシクと読まないのか。



『森口豁写真集 さよならアメリカ』
未来社

豁さんの子どもの写真が好き。  
タグ :ジュンク堂


2011年03月11日

仙台の皆川さんから「無事です」

パレスチナ・オリーブの皆川万葉さん(仙台)から先ほど電話をいただいた。公衆電話からかけているという。

「停電、ガス、電話のストップなどありますが、とりあえず、家族、スタッフとも無事であると伝えて下さい」と元気そうな声でおっしゃっていました。心配された方、まずはご安心下さい。

オイラも東京の母に電話してみたが今のところ繋がっていない。  
タグ :地震


Posted by 24wacky at 22:15Comments(0)イロイロ

2011年03月07日

2011年03月06日

鳩山「方便」発言の影に岡留さん さらに社説問題

鳩山「方便」発言の影に岡留さん さらに社説問題
OAM(沖縄オルタナティブメディア)サイトに掲載しました。ぜひご覧下さい。  


Posted by 24wacky at 12:40Comments(0)OAM

2011年03月06日

大城立裕とツレション

沖縄大学のシンポジウム〈琉球と東アジア文化圏をつなぐもの 「自治」と民際学〉に参加してきた。シンポ報告はOAMサイトに掲載するとして、記しておきたいことは、まずは物々しいSP警備。構内に入るや道脇に並ぶ黒服の男たち。受付に空港と同じ荷物チェック。そう、基調講演に片山総務大臣を招いていいるためだ。やれやれ。

それはそうと休憩時間にトイレの列に並んでいると後ろにいた芥川賞作家・大城立裕好々爺(シンポ登壇者)から「女子トイレみたいだねえ」と声をかけられ「まったくですね」みたいな返事をし、そのままツレションをさせていたいた。今日一番のキモチE。

用を足して外に出ると「悪のトライアングル」の一人、川満信一さんが一服中。ご挨拶させていただいく。先日の飲み会参加のお礼と4月の「川満信一シンポ」の話題。個人誌『カオスの貌』最新号をいただく。これも今日一番のキモチE。

  


Posted by 24wacky at 00:37Comments(0)キモチE

2011年03月03日

そうだ、岡留さんに聞いてみよう

OAM(沖縄オルタナティブメディア)

「ナマ(今)とぅびぃん! オルタナ・クール」第7回予告

日時:3月4日(金)19時~21時

場所:カフェcello (那覇市泉崎)
(ナマで視聴したい方のご来店歓迎です)

○OAMダイアログ(19時~20時)

タイトル:そうだ、岡留さんに聞いてみよう
反権力スキャンダリズム雑誌『噂の真相』を黒字休刊後2004年に沖縄移住した元編集長の岡留安則さん。半リタイア生活を送りながらも沖縄の現状へのコメントを求められることたびたび。今回のOAMダイアログでは、鳩山「方便」発言を話の糸口に、本土メディア(米国、官僚との三位一体の構造)の問題点などをお伺いする。さらに、それに対してのオルタナティブメディアの可能性についても議論してみたい。

ゲスト:岡留安則さん
1979年『噂の真相』を立ち上げる。反権力、反権威雑誌を標榜し、あらゆるマスコミタブーに挑戦する。2004年惜しまれながらも黒字休刊に踏み切り、沖縄に移住する。現在琉球新報に『沖縄幻視行』連載中。

岡留安則の「東京‐沖縄‐アジア」幻視行日記

○ナマタイムス・ナマ新報
沖縄タイムス・琉球新報紙面をピックアップしてコメントする

○ドキュメンタリー・プロジェクトについて(予定)
  


Posted by 24wacky at 19:38Comments(0)OAM