てぃーだブログ › 「癒しの島」から「冷やしの島」へ › アソシエーション › 放射線による健康障害

2011年03月24日

放射線による健康障害

10年ほど前、NAM(New Associationists Movement)という社会運動の組織で活動していた。資本と国家への対抗運動を掲げるその組織において、私は主に「関心系環境」というカテゴリーで活動していた。エネルギー問題について、反原発の立場から、市民発電所をデザインするという話題が特に盛り上がっていた。

今回そのMLの過去ログを10年ぶりにのぞいてみた。私の原発関連の知識は当時のままだが、ほとんどこれで十分な気がする。自分の投稿で今でも役立ちそうなものをピックアップして紹介する。

----------------------------------
11月10日(土)、高木学校の講座に出席してきました。そのレポートをします。

高木学校Bコース第4回連続講座
「これからの原子力問題 ー防災・地震・廃棄物ー」
第1回 原子力防災 -生命は守れるかー

2001年11月10日(土)
カタログハウス・ホール

高木学校
原子力問題研究グループ

参加者数 約50名

今日の講座は3部に分かれた構成になっていました。一部づつ紹介します。

____________________________

Part 1 : 放射線による健康障害と緊急医療体制

Ⅰ部 放射線による健康障害

1) 内部被ばくと外部被ばく
事故発生後の放射線、放射物質(これを放射能という)は、どのような経路で人体に影響を及ぼすのであろうか。風に運ばれる、放射能を含む細かい粒子、この空気のかたまりを放射性プルームという。プルームの下にいる生き物はプルームからの放射線で被ばくする。このように体の外側から放射能を浴びることを外部被ばくという。JCOの事故の被害者は外部被ばくにあたる。それに対し、呼吸することや、放射能に汚染された水・食物を体内に入れることによって放射線を浴びることを内部被ばくという。
外部被ばくを防ぐ手段としては、コンクリート、鉛、パラフィンなどで放射線を遮断することである。体に放射能がついてしまった場合、除染という、洗い出し作業をする。
内部被ばくの場合、放射能を取り除く有効な手段はない。唯一有効なのは、放射性ヨウ素による甲状腺被ばくを避けるために飲まれるヨウ素剤であるが、これはそれ以外の放射能には効き目がない。

2) 放射線障害の分類
被ばく線量が多く障害が早く現れることを早期障害という。それは急性障害とも呼ばれ、出血、嘔吐、下痢、感染症、そして最悪の場合死亡する。急性障害及び白内障は、放射能を一定線量以上浴びれば間違いなく障害がでるので、確定的障害と呼んでいる。一定線量以上の放射線を浴びた時に障害がでる、その境界の線量を「しきい値」という。
急性障害から回復後、あるいは低線量の放射能被ばくで、その時は症状が出なくても、10年、20年、50年後、がんや白血病になる可能性があり、そういった障害のことを晩発障害という。

3) 放射線障害の経過
急性障害の典型例を挙げる。
被ばく後1時間から2時間すると、吐き気、嘔吐、下痢などの症状が現れる。これが第一期。この症状は2日から5日で治まり、外見的には症状のわからない状態が2日から7日続く。これが第二期(潜伏期)。だが体内では障害が進行していて、血小板、赤血球、白血球などが減少した結果、出血症状、貧血、感染症、下痢、ショックなどが複合的に現れ重い場合死亡に至る。これが第三期(発症期)。記憶に新しいJCO事故のニュース報道では、このあたりが生々しく伝えられた。

4) 放射線量と急性障害
そのニュース報道で、盛んに使われた耳慣れない言葉「シーベルト」。これは放射線量を表す単位で「Sv」と表記される。体内に入った放射の、そのエネルギーによって体を構成する細胞の遺伝子(DNA)や蛋白質の結合が切られてしまい、放射線障害の原因になる。人体にどれだけのエネルギーが作用したか、あるいは人体がどれくらいのエネルギーを吸収したかによって障害の程度が決まる。
人間の場合、一度に6~7Sv の放射線を浴びると99%以上死亡する。被ばくした人の約50%が死亡する線量は4Sv 程度といわれている。5Sv で永久的な不妊症に陥る。

5) 胃腸死のメカニズム

6) 被ばくしたマウスの小腸

5)、6)はイラストによる説明がないと不分明なので省略します。

7) 低線量放射線による障害
国際放射線防備委員会(ICRP)が定めた値から判断すると、おおよそ「1万人がそれぞれ1mSv 被ばくすると、その中の1人に放射線による癌が誘発される」と覚えておいていいのではないか。
放射線作業従事者が被ばくしてもよいとされている限度が1年間に50mSv で、5年間の総計が100mSv を超えない量となっている。これが一般の人より1年間に50倍も放射線を浴びてかまわないとされているのはどういうことだろうか。許容線量をこれくらい高い設定にしなければ、放射線作業が成り立たないからです。JCO事故で被ばくし、症状を訴える住民に対し、「症状の出るはずのない線量だから」という理由で、行政は真剣に対処していない。
参考までに。実は私たちは医療行為で被ばくしてきている。胸のX線集団検診では、1回に0.5mSv、胃のX線集団検診では、0.6mSv、X線CT検査では、何と6.9mSv も!

8) しきい値とは

これも省略します。



同じカテゴリー(アソシエーション)の記事
放射性廃棄物の行方
放射性廃棄物の行方(2011-04-01 23:57)

放射性廃棄物とは
放射性廃棄物とは(2011-03-29 20:54)

プルトニウムとは
プルトニウムとは(2011-03-29 01:51)


 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。