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2019年10月01日

松本卓也×東畑開人トークイベント

 松本卓也著『心の病気ってなんだろう?』発刊を記念し、心理士としてのデイケア体験をフィクションで綴り話題となった『居るのはつらいよ ケアとセラピーについての覚書』の著者・東畑開人とのトークイベントが9月29日(日)代官山の蔦屋書店で開催された。心を扱う職業を担い現代思想に詳しいという共通項をもつ両者の息の合った対話に、満席の会場は静かな熱気に包まれた。以下、その内容を振り返る(文責はブログ主にある)。

松本卓也×東畑開人トークイベント

 『心の病気ってなんだろう?』の意義
東畑:「分かる」ことそのものがケアになるといういことと、障がいの社会モデル(問題は社会にあるという考え)が整理されて書かれている。(統合失調症、うつ病などの)カテゴリーの中で「分からない」ことが見えてくる構成になっている。
松本:「分かる」ことを強調したのは、これまでの精神病理学が「分からない」こと、つまり、心の奥深くにある謎を問題としてきたことへの批判があったから。謎を安易に分かったことにせず、突き詰めて考えることは重要だが、その探求が過ぎると患者は苦しくなる。
 社会モデルに関していえば、労働環境の悪化でうつ病が増加しているのは明らかであり、社会を変えた方がいい。患者が休職から復職へ移る際、担当医として上司に電話で意見を述べるなど、会社を「治療」することも行なっている。患者が社会にいざ対峙すると、個人的な病理とみなされてしまうことを回避するために。
 東畑:問題は、言葉と関係性、そして時間。

 『居るのはつらいよ』
東畑:『居るのはつらいよ』は書く中で理論が立ち上がっていった。
松本:居場所型デイケアをアジールとアサイラムとして見事に理論化されている。最終章で主人公は「自分は何をしているのか?」「デイケアに生産性はあるのか?」と「会計の声」に促されるように問う。避難所としてのアジールがアサイラムへと反転しやすいことが書かれている。それは居場所に心理士がいる理由を問うことでもあった。

垂直方向と水平方向
松本:心の奥深くの謎は臨床を職業としていなくても、実は分かる。80年代以降のポストモダン思想は表象不可能性を鋭く問うたが、それしか考えなくなってしまった一面もある。「分かる」ことの重要性が軽視されるということは、「他者の他者性」(あの人はどんな人だが分からない謎)が強調され過ぎるということでもある。前著『創造と狂気の歴史 プラトンからドゥルーズまで』は表層不可能性批判として書いた。
東畑:(自分の師である)「河合隼雄問題」がある。「集合的無意識」など、かつて影響力のあった垂直方向の思考は現在、心を打たなくなり、水平方向への志向が高まっている。
松本:垂直方向の弊害はハイデガーにある。自分の本来性に目覚め、横のつながりは「平準化」であるからダメだとし、水平方向の良い面が見えなかった。それはナチス化、反ユダヤ主義にも結びついている。
東畑:実存主義の限界を思い知ったのはこの国が「オウム化」された時だった。

中井久雄について
東畑:『居るつら』でも参照している中井久雄の『世に棲む患者』(1980)は、統合失調症患者の寛解期に着目した点で先見の明があった。
松本:マイノリティがマイノリティとして生きていくにはどうすればよいかが、既に書かれている。統合失調症では、発病時に(神の)啓示が降りてくる垂直方向よりも、「その後」の水平方向を重視した。普通の人が見逃してしまいがちな普通の「世」の重層性について。

フロアからの質疑への応答
生産性を求める社会において長いスパン(で居ること)を実現するにはどうすればよいか?
東畑:安定した職(転職)と貯金。
松本:職場に介入すること。時短勤務と残業禁止により、少なくとも職場全体が変わる。

2019/09/07
『心の病気ってなんだろう?』松本卓也
 「中学生の質問箱」シリーズとして平易な会話の文体で著者がこだわったことはなにか。それを書くために、「正常」「異常」「症状」「回復」などの言葉に鉤括弧がつけられる。 第2章では、統合失調症、うつ病、躁うつ病、PTSD、転換性障害、強迫症、摂食障害、社交不安障害、不登校・いじめ、発達障害、認知症…

2019/05/11
『居るのはつらいよ ケアとセラピーについての覚書』東畑開人
 沖縄の精神科デイケア施設で心理士として勤務した4年間をエッセイ形式で綴った学術書。現在の自分の関心領域にあまりにもハマり過ぎる内容であり、時間を忘れて一気に読んでしまった。その関心とは、1に設定が沖縄であること、2に精神疾患のケア(とセラピー)についてのリアルな現場報告であることの切実さ、3…

2019/09/30
『「助けて」が言えない SOSを出さない人に支援者は何ができるか』
 子どもの自殺予防においてなされる「SOSを出してほしい」、「援助希求能力を高める」というスローガン。確かにそれは間違っていないが、ちょっと待ってほしいと、編者であり、自殺予防や薬物依存症の問題に取り組む精神科医の松本俊彦氏は危機感を露わにする。援助希求能力が乏しいとすれば、そこにはそれなりに理由…

2019/09/23
『ヴァイブレータ』赤坂真理
 お気に入りの映画の原作を読んでみたくなった。初赤坂真理。 主人公の30代のルポライターの女は、内面にたくさんの声が聞こえてきてしまう。それを追い払うように自分も内面でしゃべり続ける。そしてアルコールに依存する。食べたものを吐く。つまりは心の病を抱えている状況。その身も蓋もなさが一人称で放…

2019/09/22
『露出せよ、と現代文明は言う 「心の闇」の喪失と精神分析』立木康介
 物質的に豊かになった社会の陰で、うつ病やPTSDといった「心の病」が蔓延している。私たちは今こそ「心」について、考え、語るべきときだとされる「心の時代」。インターネットでは誰もが「心のようなもの」について語り、「心」を露出する。今日、人々が「心」をむき出しにするあまり、これまで個人の「内面」とさ…

2019/09/15
『掃除婦のための手引書 ルシア・ベルリン作品集』
 注目される「発見」された作家の作品集。その中から「どうにもならない」を例に、初見の雑感。 アルコール依存症の女に深夜、発作が始まる。彼女は部屋中の現金をかき集め、歩くと45分はかかる酒屋へと向かう。失神寸前になりながらもたどり着いた開店前の酒屋の前には黒人の男たちがたむろしている。男たちは…

2019/09/14
『在宅無限大 訪問看護師がみた生と死』村上靖彦
 精神病理学・精神分析が専門の著者が訪問看護師へのインタビューをもとに、倫理的な問いとして何を発見し、何を学んだかが書かれている。特徴的なその手法は、多数のデータを材料に客観的な視点から比較するのではなく、看護師の実践を尊重し、あくまでその視点から記述するというもの。その聞き取りから、「快適さ…

2019/07/18
『創造と狂気の歴史 プラトンからドゥルーズまで』松本卓也
 西洋思想史に「創造と狂気」という論点を設定し、体系的に読みやすく、しかも読み応えある内容に仕上げている。臨床的なワードと思想が交差され、「こんな本が読みたかった」と思える一冊。 統合失調症中心主義。それは、統合失調症者は普通の人間では到達できないような真理を手に入れているという考え。悲劇…

2018/12/08
『みんなの当事者研究』熊谷晋一郎=編
対談─来るべき当事者研究─当事者研究の未来と中動態の世界熊谷晋一郎+國分功一郎 興味深い二人の対談において、2つの対立軸を乗り越える方向性が確認できた。1つは、能動/受動の対立軸、2つは、運動と研究の対立軸である。 まずは、能動/受動の対立軸について。 熊谷晋一郎は國分功一郎著『中…

2018/10/08
『症例でわかる精神病理学』松本卓也
 精神病理学には3つの立場がある。記述精神病理学、現象学的精神病理学、そして力動精神医学(精神分析)という。 ヤスパースに始まる記述的精神病理学は、患者に生じている心的体験(心の状態や動き)を的確に記述し、命名し、分類する。その際、「了解」という方法がとられる。「了解」とは、医師=主体が患…

2017/01/05
『人はみな妄想する━━ジャック・ラカンと鑑別診断の思想』松本卓也
 本書は、ドゥルーズとガタリやデリダといったポスト構造主義の思想家からすでに乗り越えられたとみなされる、哲学者で精神科医のラカンのテキストを読み直す試みとしてある。その核心点は「神経症と精神病の鑑別診断」である。ラカンは、フロイトの鑑別診断論を体系化しながら、神経症ではエディプスコンプレクスが…

2016/11/20
「老いにおける仮構 ドゥルーズと老いの哲学」
 ドゥルーズは認知症についてどう語っていたかという切り口は、認知症の母と共生する私にとって、あまりにも関心度の高過ぎる論考である。といってはみたものの、まず、私はドゥルーズを一冊たりとも読んだことがないことを白状しなければならない。次に、この論考は、引用されるドゥルーズの著作を読んでいないと認識が…

2016/11/19
「水平方向の精神病理学に向けて」
 「水平方向の精神病理学」とは、精神病理学者ビンスワンガーの学説による。彼によれば、私たちが生きる空間には、垂直方向と水平方向の二種類の方向性があるという。前者は「父」や「神」あるいは「理想」などを追い求め、自らを高みへ導くよう目指し、後者は世界の各地を見て回り視野を広げるようなベクトルを描く。通…



  


Posted by 24wacky at 09:06Comments(0)イベント情報

2011年06月14日

実践!Ust講座『わかさTV 〜番組をつくろう〜』

いよいよ明日に迫ってきました。この講座自体がUst中継されます。中継はOAM代表西脇が担当し、若狭公民館のユーストリームチャンネルから配信されます。

尚、西脇は18日の講師を担当していますが、3日間とも参加し関わります。乞うご期待!

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実践!Ust講座(情報通信月間参加事業)
『わかさTV 〜番組をつくろう〜』

日時:6月15,18,19日
   15日(水)19:00-21:00
   18日(土)14:00-19:00
   19日(日)14:00-19:00
場所:若狭公民館(那覇市若狭2-12-1)
申込:6月15日まで(応募者多数の場合は先着順)
参加費:100円(保険料等実費)
問合せ:098-891-3446
    info@cs-wakasa.com


・自分たちの活動を広く発信したい。
・インターネット動画配信のスキルを身につけたい。
・情報番組づくりっておもしろそう。

など、なんとなく興味がある、
すでにやっているけどさらにスキルアップしたい、
という方は、ぜひご参加ください。

講座では、インターネットを活用した地域情報番組を制作します。

テレビドキュメンタリーなどの番組ディレクター桃原英樹さん、マスコミとは異なる視点で情報発信を続けるOAM(沖縄オルタナティブメディア)の西脇尚人さん、映像作家で専門学校等の講師を務める新田雅一さんを講師にお迎えして、番組づくりのノウハウを学び、オルタナティブメディアの意義と可能性を探ります。

  


Posted by 24wacky at 21:07Comments(0)イベント情報

2011年06月10日

6.11脱原発100万人アクション・オキナワ

6.11脱原発100万人アクション・オキナワ

日時:6月11日14:30~17:00
場所:那覇市牧志沖縄県 那覇市ぶんかテンブス館前広場(国際通り沿い 沖縄三越斜め向かい)
主催:6.11脱原発100万人アクション・オキナワ
問合せ:0988634776(FAX兼)
脱原発100万人アクション Email:nonk611oki@yahoo.co.jp


脱原発への思いは遠く離れた沖縄も同じ・・・

沖縄からも原発いらない!の声をあげよう

全国と連動して脱原発へのアクション!を那覇から起こします!!

沖縄に住む方、原発問題に関心のある方、被災地から沖縄へ移住・避難されてきた方、何かしなきゃと感じてい方・・・ 

6月11日那覇ぶんかテンブス館広場に集まれ~

沖縄からは
「3.11福島原発事故を忘れないために行動する」「沖縄で導入が検討・研究されている中小型原発をやめさせる」「私たちの未来のために安心な自然エネルギーを選ぼう」を大事にしていきたいと思います!

6月11日(土) 
 14:30~17:00 「街頭アクション!」

・あなたの好きな脱原発ポスター「いいね!」投票
・みんなの思いを伝えよう
・脱原発署名・チラシ配布・パネル展示・・・

☆持ち物:アツい思い(このアクションへの)と冷たい飲みものなど

音楽・イラスト・パフォーマンス・かぶりもの・プラカード・Tシャツ・おしゃべり…。あなたの得意分野で「脱原発!」を楽しい感じでアピールしよう★
心よりお待ちしておりマス!
ツイッター見てね☆取り組みアイデア・メッセージなど送ってみんなで盛り上げよう!よろしくです


6月12日(日)
14:00~16:00 「ホントの事もっと知りたい・・・原発関連映像会」

場所:那覇市NPO活動支援センター 会議室   

☆両日とも参加無料☆

尚、11日はOAM(沖縄オルタナティブメディア)がUSTREAM中継を予定しています。お楽しみに。

OAM(沖縄オルタナティブメディア)
http://oam0.blog75.fc2.com/  


Posted by 24wacky at 00:19Comments(0)イベント情報

2010年10月20日

或日作成SHOW!! Vol.9

今年もやってきました!

RCサクセション・トリビュートライブ
「或日作成SHOW!! Vol.9」開催!


日:2010年10月23日(土)
場:Royed(那覇市曙。沖商ビル斜め向かい、ファミリーマート隣。6F)
時:17:30オープン&スタート
料:500円(当日のみ、1ドリンク別途)
出演 (※出演順):SRC作成ション、どくとる田島バンド、あしゅらスライ、オキワンダイバーズ、もりと、南風原ビーバップス、ハッピー3ッパーズ、ちえみジョーンズ、ともや
  


Posted by 24wacky at 20:57Comments(1)イベント情報

2010年08月11日

川瀬光義講演会

沖縄財政の専門家、『沖縄論』の共著者でもある川瀬光義さんの講演会。特に名護在住の方、基地受け入れを選ぶことが財政的に正しいのかどうなのか、考えるヒントになるのではないでしょうか。

川瀬さんのお話はこちらから動画で観ることができます。
    ↓
普天間―いま日本の選択を考える 後半(4/14)  続きを読む


Posted by 24wacky at 20:27Comments(1)イベント情報

2010年07月28日

沖縄を踏みにじるな!

鵜飼哲、上原成信がアルタ前をジャック!  続きを読む


Posted by 24wacky at 18:03Comments(2)イベント情報

2010年07月18日

2010年07月18日

OUTスタイルワークショップ第3回

OUTな身体ということで。


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タグ :OUT


Posted by 24wacky at 12:35Comments(0)イベント情報

2010年07月17日

Peace Music Festa!辺野古2010

出演者第一弾が発表されました。
中川五郎!


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Posted by 24wacky at 17:15Comments(0)イベント情報

2010年06月30日

辺野古緊急調査にご協力を

日本自然保護協会が辺野古・大浦湾の海草藻場と底生生物の緊急調査を実施します。国側の「アワセメント」に対抗するための科学的論拠として、とても重要であり勇気づけられる活動だと思います。ぜひご協力を!

辺野古---NACS-Jの2010年緊急調査にご寄付をお願いします!  続きを読む


Posted by 24wacky at 10:50Comments(0)イベント情報

2010年06月12日

子ども・若者と育む沖縄の未来

加藤新学長になってからの沖大の方向性がみえるシンポジウム(もちろんこの分野はこれまでも充実していた)。教育・福祉問題を基地問題と関連させて捉えるという沖縄独自の視点を私も共有したい。日本中を駆け回る保坂さんと沖縄側の掛け合いも興味深いぞ。
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Posted by 24wacky at 11:39Comments(0)イベント情報

2010年06月10日

沖縄敗戦65周年・映画と講演の夕べ

慰霊の日に合わせての企画です。首都圏の方是非。
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Posted by 24wacky at 01:15Comments(0)イベント情報

2010年06月06日

2010年06月01日

2010年05月24日

「普天間基地移設を拒否する」日時変更

18日記事でシンポジウム「普天間基地移設を拒否する」5月30日開催を告知しましたが、事態の展開を踏まえ日時内容とも変更するそうです。お詫びをするとともに、いったん18日の記事は削除させていただきます。
  


Posted by 24wacky at 20:56Comments(0)イベント情報

2010年05月22日

映画は世界を創る

珍しく?なにげに気になる琉球大学企画。
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2010年05月22日

鳩山首相来沖に対する5.23緊急行動

辺野古浜通信から転載させていただきます。

『鳩山首相来沖に対する5.23緊急行動』など

県議会が議会棟前で座り込みを予定しているというエキサイティングな展開も。

県議会、首相面会拒否 あす「県外」求め座り込み

まさに島ぐるみ闘争となってきました。この歴史に残るイベントにあなたも参加しませんか。

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Posted by 24wacky at 11:00Comments(2)イベント情報

2010年05月19日

2010年05月14日

2010年05月13日

どうなる普天間移設? ~朝まで徹底生激論~

ウハウハドキドキ!
学さん、へそで投げるバックドロップだ!

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Posted by 24wacky at 19:56Comments(2)イベント情報