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2010年11月04日

「唐獅子」第10回 書くこと

沖縄タイムス連載コラム「唐獅子」第10回本日の掲載分です。

布団に潜り込んだもののどうしても眠れず、詮方なく起きだしパソコンを起動させる。深夜3時過ぎ。そして「唐獅子」の原稿を書いている。

どうやら書くことは私にとって最後のよりどころなのかもしれない(やや大袈裟)。といってもこれですべての心配事から解放されるほど甘くないことは承知の上。二週間ばかり前から発症した下痢は、性懲りもなく続くだろう。しかし、少なくとも書いているあいだは、心が穏やかでいられる。それだけでももうけものだ。さらに運が良ければ、書く前よりは状態がよくなったような気がする(こともある)。

ここでようやく自分の肩書きのひとつが「フリーライター」であることに気づく。ううむ。仕事をしているときに心の平静を保てることがよいことなのかふと思いをめぐらす。そもそも「フリーライター」が自分の職業といえるのかどうかもあやしいのに。などとどうでもよい思案をする。ちなみにカタカタ言葉の肩書きほどイカガワシイものはないと常々感じてもいる。

そうこうするうち、このイカガワシイ肩書きを名乗るようになったきっかけを思い出したりするから愉快だ。それはある日、こちらからアポをとり知り合ったある方と、メールのやりとりをするようになったときのこと。フリーの編集者であるその方から「西脇さん、ぜひブログをやりましょう!」とアドバイスをいただいた。それから後、今度は「西脇さん、ライターの仕事、やってみませんか?」といってきた。結論から先にいうと、両方ともやってみることにしたのだか。

どうしてその方がそんなことを言い出したのかといえば、「メールを読んでいて、西脇さんは文章を書くのがうまいと思ったから」ということなのである。やや唖然。たかがメールの文章を読んだだけで、それまでなんの経験もない輩に仕事を依頼するこの方の肝が据わっていることよ。

それからしばらく、その方からライターの仕事をいくつかいただいたが、仕事もなくプラプラしていた当時の私が助かったことはいうまでもない。ブログはといえば、これがかなりハマリ、現在まで5年以上続いている(もっとも最近では立ち上げたメディアの諸々の作業が優先で、放置状態に近い有様だが)。自分に対する他人の評価は時に貴重だ。



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この記事へのコメント
私も西脇さんは文章上手いと思いますよ。ライターは天職ではないでしょうか。
Posted by 攝津正 at 2010年11月04日 16:28
摂津さん、ありがとうございます。
もうちょっと稼げる転職だといいのですけどね。
Posted by 24wacky at 2010年11月04日 22:10
うむ…。そのへんは私も今日、考察していました。芸術性なり政治性と商業性の問題、売れるか売れないかということ、大きいよね。どんな立派なこと書いてたって食えなきゃーしょーがないのだ。困るよね。私も、困っている。でも、みんな困っているところだと思う。
Posted by 攝津正 at 2010年11月04日 23:29
永遠の課題だね(笑)。
Posted by 24wacky at 2010年11月05日 10:58
 
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