「癒しの島」から「冷やしの島」へ

　沖縄から東京へ生活の場所を移動してから、冬が来るのが怖くなった。マジで恐怖である。そんな時こそ秋から冬にかけての定番。そうだ、ヴァン・モリソンを聴こう。

　幸いニューアルバム『Keep Me Singing』は相変わらずのヴァン・モリソン節で満ちている。なにしろ「ずーっと俺に唄わせろ」と自信満々なのだから。

"Memory Lane"

１１月ともなれば季節は秋で
みごとな紅葉を目にする
デジャブだろうか　よく思い出せない
立ち止まり　風景に見入る

立ち止まり　見知らぬ人に尋ねてみる
ここはかつて記憶の細道と呼ばれていた場所だろうか
どこにいるのかどこから来たのかわからない
記憶の細道を背に　またここにいる

落ち葉とともに冬が訪れ
日ごと夜は短くなる
「危ない」の標識
「止まれ」の標識
「譲れ」の標識

コーナーをよろよろと曲がり
フラッシュライトに頭がくらくら
道はくねくねと曲がり
終わりにたどりつく

答えよりも問いばかりで　またここに
そぼ降る雨のなか立っている
影の向こうでなにかが動いた気がするが
もうあたりは暗い　記憶の細道で

立ち止まり　見知らぬ人々に尋ねる
ここはかつて記憶の細道と呼ばれていた場所だろうか
どこにいるのかどこから来たのかわからない
記憶の細道を背に　またここにいる

立ち止まり　見知らぬ人々に尋ねる
ここはかつて記憶の細道と呼ばれていた場所だろうか
どこにいるのかどこから来たのかわからない
記憶の細道を背に　ここにいる
記憶の細道を背に　ここにいる
記憶の細道を背に　ここにいる
記憶の細道を背に　ここにいる


"Every Time I See A River"

いいことは長く続かない。でもねえ、川を眺めていると、また恋をしている気分になるんだ。



『Keep Me Singing』
アーティスト：ヴァン・モリソン
2016年作品