2018年02月04日

『私の男』熊切和嘉

『私の男』熊切和嘉

 劇場公開時に観た記憶として、紋別市の雪の情景、流氷の音響と共に、ひたすら浅野忠信と二階堂ふみの交歓が強い力を持つようだった。後半の東京時代はほとんど忘れていた。今回の再見でやはりその部分が弱いことが確認された。紋別時代には大塩という老人(藤竜也)が二人にとって「影」であり共同体が強いる「力」としての機能を果たしていたのに対し、東京時代にはそのような相関物がない。それがないことがカタルシスとなりえるのかが映画版としての挑戦だったのかもしれない。原作はそこから始まり時系列を過去に遡っていく構成になっているということなので。

『私の男』
監督:熊切和嘉
出演:浅野忠信/二階堂ふみ/高良健吾/藤 竜也/河井青葉
原作:桜庭一樹
2013年作品

Gyao配信期間:2018年1月27日~2018年2月26日





同じカテゴリー(いつか観た映画みたいに)の記事
『まく子』鶴岡慧子
『まく子』鶴岡慧子(2019-12-08 09:39)

『半世界』阪本順治
『半世界』阪本順治(2019-12-08 09:34)


 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。