2017年02月24日
『地下鉄(メトロ)に乗って』篠原哲雄
地下鉄丸ノ内線を媒介として、東京オリンピックの年、そしてさらに遡り戦後の闇市、そして戦中へとタイムスリップしながら描かれるのは、主人公長谷部真次(堤真一)にとっての父親小沼佐吉(大沢たかお)との和解のドラマである。ユニークなのは、それのみならず、真次の恋人の軽部みち子(岡本綾)も共にタイムスリップする。その理由がクライマックスで判明し、もうひとつの和解のドラマが輻輳する。
新中野駅を地上出口に出た瞬間、昭和39年のノスタルジックな舞台美術が目の前に現れる。映画は、丸ノ内線乗車、駅のホーム、構内通路と過去へのタイムスリップの往復が執拗に繰り返される、地下鉄がメディアとして不可欠であるがゆえに。しかし、それが成功しているのは、丸ノ内線という地下鉄が現在進行形のノルタルジー性を強く有しているからに他ならない。
大沢たかおは最近あまりパッとしない印象だが、この演技をみると、もっと活躍してよい気がする。岡本綾も存在感があってよいかな。
『地下鉄(メトロ)に乗って』
監督:篠原哲雄
出演:堤真一/岡本綾/岡本綾/大沢たかお/常盤貴子
2006年作品
Gyao配信期間
2017年2月20日~2017年3月5日
Posted by 24wacky at 19:29│Comments(0)
│いつか観た映画みたいに