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2009年11月30日

伊波宜野湾市長の驚くべき報告

昨日沖縄大学で行われたシンポジウム「沖縄基地問題と日・米新政権ー米軍ヘリが墜落した沖国大からの発信」での伊波洋一宜野湾市長の報告は驚くべき内容であった。まずはこの報告を紹介し、これもまた興味深い目取真俊の報告は以降の記事に回す(参加が予定されていた山内徳信氏は社民党専従者交流会対応のため欠席)。

伊波宜野湾市長の驚くべき報告

「普天間基地のグアム移転の可能性について」と題されたその報告は情報量の多いものだったが、伊波市長は相変わらずの早口でまくしたて、ついていくのがやっとだった。家に帰り改めてレジュメをじっくり読んでみた。これを乱暴に短く、なるべく分かり易くすると以下のようになる。

海兵隊のグアム移転が司令部中心というのは間違いで、その主要な部隊は一体的にグアムへ移転する。それには普天間飛行場の海兵隊ヘリ部隊も含まれる。従って辺野古へ移設する理由は無い。

どういうことか?宜野湾市HPに同内容が掲載されている。これを基にもう少し情報を足してみよう。
「普天間基地のグァム移転の可能性について」

「日米同盟:未来のための変革と再編」(2005年10月)の記述によると、第3海兵機動展開部隊(ⅢMEF)司令部はグアム及び他の場所に移転され、また、残りの在沖縄海兵隊部隊は再編されて海兵機動展開旅団(MEB)に縮小される。この沖縄における再編は、約7000名の海兵隊将校及び兵員、並びにその家族の沖縄外への移転を含む。これらの要員は、海兵航空団、戦務支援群及び第3海兵師団の一部を含む、海兵隊の能力(航空、陸、後方支援および司令部)の各組織の部隊から移転される。

「再編実施のための日米のロードマップ」(2006年5月1日)は次の通り。「約8000名の第3海兵機動展開部隊の要員と、その家族約9000名は、部隊の一体性を維持するような形で2014年までに沖縄からグアムに移転する。

ところがこれと矛盾する計画が進められていた。2006年7月に、米太平洋軍司令部は、「グアム統合軍事開発計画」を策定し、同年9月にホームページに公開した。その中で「海兵隊航空部隊と伴に移転してくる最大67機の回転翼機と9機の特別作戦機CV-22航空機用格納庫の建設、ヘリコプターのランプスペースと離着陸用パッドの建設」の記述。すなわち普天間飛行場の海兵隊ヘリ部隊はグアムに移転するとされた。しかしこの情報はわずか一週間で削除された。

さらに去る11月20日に、同計画に沿った「沖縄からグアムおよび北マリアナ・テニアンへの海兵隊移転の環境影響評価/海外環境影響評価書ドラフト」が公開された。この中で沖縄からの海兵隊移転の詳細が記述されている。海兵隊ヘリ部隊だけでなく、地上戦闘部隊や迫撃砲部隊、補給部隊までグアムに行くことになっている。

つまり、この三年間この計画に沿ってすべてが進行していたのだ!?

これを保証するように、2009年6月4日に米国海兵隊司令官ジェイムズ・コンウェイ大将が上院軍事委員会に「米国海兵隊の軍事態勢」に関する報告書を提出している。そこでは、沖縄からグアムへの海兵隊の移設について、沖縄の民間地域への危険性を避けること、グアムの方が軍事的整合性があり、それはアメリカの国益に貢献することが書かれている。

それなのになぜ、司令部だけがグアムに行くと、私も含めみなそう思ってしまっているのか?宜野湾市の見解は以下の通り。

 
理由は、1996年のSACO合意だった海兵隊ヘリ部隊の辺野古移転のイメージを基にした国会審議での答弁や、米国政府関係者の意図的な「発言」だけが報道され、2005年10月の「日米同盟:未来のための変革と再編」の合意の時点に固定されたままになった。結果的に、「発言や答弁」の報道に終始するマスコミの報道も同様となり、現在進行している「事実」は、国会議員にも政府関係者にも、国民にも共有されていない。
 日米両政府は「グアム統合軍事開発計画」について「正式な決定ではない」として詳細は未定と押し通してきた。その結果、国会での答弁や日米政府関係者の発言は、「グアム統合軍事開発計画」について踏み込まず、2005年10月の「日米同盟:未来のための変革と再編」の合意の時点に固定されたままになった。結果的に、「発言や答弁」の報道に終始するマスコミの報道も同様となり、現在進行している「事実」は、国会議員にも政府関係者にも、国民にも共有されていない。


伊波市長は26日、鳩山首相に面談し、この内容をプレゼンしている。が、それを伝える沖縄タイムスの記事は扱いが大きいとはいえず、しかもそっけない。この時点で伊波市長はマスコミに資料を配布しなかったのだろうか?
辺野古以外への「移設再検証を」 伊波市長、首相に要請

サイトのみしかチェックしていないが、琉球新報に該当する記事は無い。本来なら一面トップの扱いになっておかしくないはず。

続く









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この記事へのコメント
11月20日に米海軍省グアム統合計画室(JGPO)がホームページで公表した「グアムと北マリアナ諸島の軍移転」に関する環境影響評価書のなかで、普天間基地のヘリ部隊を移設する海兵隊航空新基地をアンダーセン北西部ノースウエストフィールドに新設する計画が明らかになったそうです。
http://www.guambuildupeis.us/documents
Posted by shinakosanshinakosan at 2009年11月30日 01:36
>shinakosan

そうですね、リンク先宜野湾市HPにも載っています。

これは米軍が軍事的理由からこのように計画しているのだから、辺野古移設は米国の国益に反するということの立証になる。その意味で有効であるということ。グアムに新しい基地ができてよいはずはない。
Posted by 24wacky at 2009年11月30日 21:26
一読、混乱していますが、捨て置けない話ですね。日本政府は、敢えてわかりにくくしてきたということでしょうか。また、米側が辺野古のことを唯一の選択肢だなどと言っているのは、ロールプレイでしょうか。
Posted by 齊藤 at 2009年11月30日 23:59
>齊藤さん

米軍の論理と米政府の政治的思惑は別である、ということは少なくともいえそうですね。
Posted by 24wacky at 2009年12月01日 20:11
沖縄基地問題、稲嶺氏当選 でまた報道が騒ぎ立てております。私もこの事実を知ってわけわかんない~!なんでなの?という疑問符でいっぱいです。
嘘か本当か「きっこのブログ」では自民党の利権でこうなっているとありました。本当にそうなら許せないと思います。
この情報は沢山の人に知ってもらう必要があると思うので、この情報の掲載をしました、こちらの記事を少し転載させていただきました。
事後承諾ですみませんが、いけなかったら取り消しますのでお知らせください。
Posted by RICO at 2010年01月26日 19:01
>RICOさん

はじめまして。記事の転載OKです。こちらこそありがとうございます。

メジャーメディアに載らない貴重な情報をどんどん伝えていきましょう!
Posted by 24wacky at 2010年01月26日 19:42
 
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